大学の同窓会佐賀支部総会に参加して来ました。佐賀市医師会長をはじめいつも気にかけていただいている諸先輩、同じ時期に開業した同窓の後輩の先生と楽しくお話が出来ました。開業して1年10か月どうにかやれているのも、患者さんをはじめ多くの方々のおかげですが、その中でも同窓の先生たちのお声かけに勇気ずけられています。また50の半ばをこえてもなお、この会に出ますと、下っ端で、80才を越えてもなお、かくしゃくとされてる先輩方の姿勢に、まだまだ老け込む歳ではなく、もっと頑張ろうという気にさせて頂けるのも有難いことです。

産業医研修会 肥前精神医療センター 曾田千重先生
本日14:00~18:00まで産業医研修会に参加してきました。前半は発達障害、後半はバイオテロのお話でした。発達障害の患者さんは小児が主体と思っていましたが、診断されず、大人になって、職場に対応できず、発見される方がおられ、診断までに10年以上かかっている人たちの話に驚きました。門外漢な分野でしたが、比較的頻度が高く、慢性疾患であり、内科である当院でも知っておくべき知識と思いました。
発達障害の中でもASD(Autistic Spectrum Disorder)自閉症スペクトラム及び、ADHD (Attention Deficit Hyperactivity Disorder) 注意欠如・多動性障害のお話でした。
1:発達障害の障害特性を理解する。
ASDとは3つの困難(社会性、コミュニケーション、想像力に関する困難)で特徴ずけられいましたが、現在は3つの困難は社会性とコミュニケーションを1つに合体し、想像力に関する困難と合わせて2つの困難とされます。
社会的コミュニケーションの困難とは周囲に配慮せず自分中心の行動をとったり、ひとの気持ちや意図がわからない、冗談や皮肉がわからず、文字通り受け取るなどが挙げられていました。グループでの業務・活動が出来にくく社会人となって、問題になり診断に至る方がおられる。
ASDは多数の要因が重なって発症する。
ASDの頻度は100人に1人から50人に1人の時代で、珍しくない疾患となっている。
A,B.C.D.Eの5つの診断基準 PARS-TR
その他の特徴
感覚過敏、暑がりな人も多く、それだけで何もしゃべれなくなったりする。このことが生活へ支障をきたすことがある。
このような表面的な行動の元にある認知的特徴
①心の理論、⓶実行機能、③中枢性統合、④共同注意、⑤注意の切り替え
①心の理論
サリー・アン課題
サリーとアン2人が遊んでした。サリーはビー玉をかごの中にいれて出かけました。
その後アンはそのビー玉を自分の箱に入れました。
そこで質問。
サリーが戻ってきてビー玉を探すのはどこですか?
小学生くらいの自閉症の子は箱を探すと言う。
つまり、サリーの視点にたって考えることできない。
他の人の視点に立つ、相手の状況を類推するのが苦手。
⓶実行機能
PDCAサイクルを回すことができない。
なんでそんなことができないの?ということがある
③中枢生統合
いろんな情報からなにを取り出し、統合するのかができない
④共同注意
指さしてお母さんに見てもらうなど、体験の共有ができない
表情、視線がうまく使えない。→直観的なやり取りが困難になる
⑤注意の切り替え
興味があるとそれに没頭する。
このような側面から生活の中で様々なレベルで混乱しやすい。
二次障害
約70%は1つの、40%は2つ以上の精神疾患を並存してる
ASDの支援のポイント
刺激をコントロールする
構造化:どこでなにをいつまでするかをはっきるする
視覚化:見えるか
をするだけで全然違う。
AD/HD
認知の特性
学齢期の3~5%
7割が思春期以降ももっており、、大人まで続く慢性疾患であり
長期の支援が必要
脳機能
実行機能(6つに分かれる)
とくに抑制機能の障害が多い。衝動的行動、
報酬系のシステム障害
大人で初めてADHDの診断がつく患者さんがいる。
成人AD/HD 20代では男女ともに2%程度、若いうちは男が多いが年齢が上がるとともに
男女差がなくなる
成人期のADHDを疑うサイン
・忘れっぽさ
・記憶できない
・眠い
・意欲のなさ
・頻回の転職
・じーとしていられない
・気分の易変生 など
基本的な特性に準じた環境調整、対応調整が重要
①実行機能障害に対しては短期目標の設定、スモールステップの実行を繰り返す
⓶物事を整理しやすくする構造や道具、ルーチンワーク化、メモのTO DO リストの活用
2:発達障害の人の身体的問題の特徴と診療上の配慮
ASDでは身体的並存症
・てんかん(8~21.4%)
・胃腸障害 (9~70%)、慢性便秘、逆流性食道炎、過敏性腸症候群
この胃腸症状の為に問題行動が起こることがある。
・睡眠障害(53~78%)
・肥満
・感覚過敏/鈍麻
(周囲からの情報も参考にしながら診療を行う必要がある。
対応の留意点
・診察前の準備
当事者の特性や困りごとを前もって周囲からとる
・診察間の留意点
静かな環境の準備、必要な情報は視覚化して伝える(絵カードの利用等)
3:発達障害の人の精神的並存症と治療の原則を知る。
ASD児の約70%がなんらかの精神科的並存症があり、精神科的並存症の評価をルーチンで行い、介入すべき並存病変が何であるかを明確にする必要がある。
逆に並存する精神科的並存症の問題を主訴に医療機関を初診するケースがある。
4:発達障害の人への薬物療法の基本原則を理解する。
ASDにはリスパダール、エビリファイに適応がある。
5割程度の有効率、効くものは初期用量で2W程度で効果がみられる。このため必要最小量を模索する必要があり、効果ないものを見極めること。
副作用で体重増加がよく見られる。
ADHD
コンサーター、ストラテラ
治療の目標:第一に障害受容をつうじたほどほどの自尊心の形成、第2にADHD特性を踏まえた適応性の高いパーソナリティの形成
5:ケアとしての就労支援
・刺激の呈示の仕方の工夫
ワーキングメモリーが少ない→情報量を少なくする、視覚的構造化(図や絵を用いる)
言語理解が困難 →文章を短く簡潔に
・対応の仕方の工夫
言語理解が苦手 →復習・繰り返しを多く、適切なヒント
気持の理解が苦手 →身体の反応など生理的な症状から考える(頭痛、不眠など)
ASD当事者から
・感覚過敏があり、時に感覚過敏発作(光が急にまぶしくなり物がみられなくなる)がある。
・フラッシュバック(実際にいじめで言われた事の幻聴はASDで頻繁に起こる 『死ね』『ばか』『うざい』など)があり、統合失調症の幻聴・妄想とは異なる
参考文献
大人の発達障害(アスペルガー症候群・ADHD) シーン別解決ブック
司馬理英子 、主婦の友社 2018

開業して1年9か月なかなか参加できていなかった大腸内視鏡挿入法の勉強会である二木会の福岡支部の講演会に参加してきました。前半は大腸内視鏡の挿入ビデオを見ながら、挿入法を学ぶという時間で、後半は大腸内視鏡挿入にも効果的なインナーゲームの概念のお話を鹿児島で開業されている岩崎秀一先生から教えていただきました。これはTimothy Gallwayが1974年に発表した理論で心の中のインナーゲームと実際の勝負であるアウターゲームとの関係のお話です。アウターゲームをしながら、心の中でセルフ1とセルフ2という2人が戦っている。脳の中であれやこれやと指示命令するセルフ1、本能的に自由に動ける身体であるセルフ2が存在する。上手くいかないのはセルフ1がセルフ2を非難しているためである。セルフ1によるセルフ2への妨害を防ぐ為には、変化する知覚要素に集中することというお話だったようにおもいます。スポーツのメンタルトレーニングの分野ではとても有名な理論のようで、興味深く聞きました。また岩崎先生の大腸内視鏡挿入のビデオも見ることができて、私もこんな挿入ができたらと思いました。
二木会というのは2000年から開かれている大腸内視鏡挿入法の勉強会です。神奈川の松島クリニックの鈴木康元先生を中心に患者さんから『痛い、苦しい』、施行する医師からは『難しい』と言われる大腸内視鏡の挿入を患者さんには痛くないように、施行する医師には挿入を容易なものにして、日本における大腸癌死亡を減らすというコンセプトの会です。
まだまだ二木会の主要メンバーの先生方のように、大腸内視鏡挿入は上手くできませんが、可能な限りこのような会に参加して、技量を少しでも上げ続けて、佐賀での大腸癌の患者さんを一人でも多く見つけることができればと思っています。

6/28~29に久留米で開催される肝がん研究会の前夜祭に参加してきました。私も肝臓癌に関する研究をしていた頃には毎年のように参加していた学会です。福岡、佐賀という肝がんの患者さんが多いという地理的背景もあり、久留米大学は50年ほど前から肝がんの研究が盛んな大学です。とくに内科・外科・放射線科・病理という4つの科がタッグを組んで基礎から臨床までの広範囲な研究を継続しています。その為この肝がん研究会も過去複数回久留米の地で開催されています。しかも病理学という基礎系の教室の主催は珍しいのですが、久留米大学病理学教室主催は今回で3回目というのは極めて珍しいことで、来賓の方々から称賛の声を頂き、OBとしてとてもうれしく思いました。手前味噌ですが主催は私の兄で、沢山の高名な先生方を前に緊張して挨拶をしており、母とともに見守りました。2年前に他界した父もとても喜んでいることと思います。
会には全国から日本の肝臓癌研究を引っ張っている諸先生が集まられていましたが、その中に、私と同時期に留学先の別のラボで働いていた奈良県立医科大学第3内科教授の吉治仁志先生と久しぶりにお会いしとても楽しいひとときでした。



6月14日にありました第21回佐賀市開業医・勤務医交流会に参加してきました。この会は佐賀市医師会が佐賀市の基幹病院の先生方との懇親会を定期的に催しているもので、前回は好生館病院で、今回は佐賀大学病院でした。この会は開業してからはほとんど参加させていただいています。今回も各科の先生方の『何かあればいつでも紹介してください』とのお声を頂き、バックアップしてくださる基幹病院が充実している佐賀市の有難さをかみしめています。
本日は毎回参加させていただいている総合診療ケースカンファランスに参加してきました。ふだんあまりあたることはありませんが、壊死性筋膜炎という予後不良な疾患の症例のご報告と、レクチャーは佐賀大学形成外科診療教授の上村哲司先生の講演でした。実は上村君は私の大学の同期ということもあり、今日は楽しみにしていました。実際の先天奇形、顔面外傷や顔面火傷、耳鼻科や口腔外科領域の腫瘍摘出後の再建などの画像は目を見張るものでした。シートベルト装着義務化、出生率の低下等により、このような症例は減少し、現在は高齢化社会を反映して糖尿病に起因する足病変にライフワークとして取り組んでいるとのことで、他科の医師達と情報共有してよりよい医療を目指していることが感じられました。佐賀大学病院の看板教授としてますますの発展を祈念します。しかし学生時代こんなに真面目だったっけ?


羽田空港の書店で本を買いました。本屋大賞になった『かがみの孤城』です。帰りの飛行機の中で読み始め、その日のうちに読み終えてしまいました。どちらかというと速読なので、まだよく読み込めていませんが、子どもを持つ親としていろいろ考えさせられる本でした。体調不調になった方で『最近子供が学校に行けなくなって…』と言われた方を思い出しました。そういえば2017年の小学校不登校児は約3万人、中学生は約10万人とのこと。一方学校の先生の中にはうつ病で休職する方が5000人を超えるという報告もあり、教育の現場が今大変な状況になっているのは事実でしょう。ただ大変な状況ということを前面に出した本ではなく、最後に主人公達の結びつきを思い起こさせてくれ、暖かい気持ちにさせてくれるいい本でした。

5/12患者さんには申し訳ありませんでしたが、11時に外来を切り上げて、12:25の佐賀発東京行きの飛行機に乗って、東京で開催されている内視鏡学会に参加してきました。夕方には久しぶりに以前お世話になった大平善之先生と会いました。2006年に登録医として1年間千葉大総合診療部に通って、生坂政臣教授をはじめ、医局員の方々にいろんなことを教えていただきました。その時大平先生は千葉大総合診療部の医局長で登録医の手続きなど事務的な手続きから、私の研修がスムーズにいくようにいろいろ心配りをしていただきました。
そしてこの4月から国際医療福祉大学総合診療部の主任教授になられています。まだ大学病院はできていない為、今は国際医療福祉大学市川病院で日々外来診療に没頭されているようです。お互いの近況から、大平先生の今後の抱負などいろいろお話ができて楽しいひとときでした。
どんなに医療機器が進んでも、患者さんの訴えをまずよく聞くことが一番大切であることを千葉大総合診療部で教えていただきました。生坂先生が千葉大の看板教授になられたのと同じように、大平先生も今後国際医療福祉大学の看板教授になられることと思います。

家族を連れて恒例のソフトバンク観戦に行ってきました。2000本安打まで後2本となっている内川選手の歴史的瞬間が見れるかもと期待しましたが、残念ながら、内川選手はノーヒット、試合も9回逆転されて負けてしまいました。残念。次に期待します。
子供の頃、父親が『西鉄の稲尾の外角低めの速球はすごかった』とよく言っていました。平和台での野球観戦に連れていってもらうことはありませんでしたし、自分で行ける年齢になった時には、西鉄は西武ライオンズとして埼玉に行ってしまってました。ですからダイエーホークスとして福岡にプロ野球球団ができた時にはとても嬉しかったことを覚えています。佐賀からわずか1時間のヤフオクドームでプロ野球がみれるのですから。少し残念なのは、最近は子供がサガン鳥栖の方に気持ちがシフトしていることです。たしかに鳥栖でJ1の試合を見ることができるのもすごいことなんですが…。

4/15(日曜日)に4時起きで福岡空港まで行き7時発の大阪伊丹空港行きに乗り、京都で行われている内科学会に参加してきました。9時過ぎからの内科学会の演題を聞き、家族と職員へお土産を買って日帰りで戻ってきました。大きな学会は木曜~日曜まであり、今回のように一部を聞くことができますが、開業医にとっては平日のみの学会への参加はほぼ不可能です。先日(日曜日)福岡でありました内視鏡学会セミナーのように、診療に直結するような一流の講師陣によるセミナーを各地域で開催していただけると本当にありがたいのですが…。
でも久しぶりに小型の飛行機に乗り、なんとなく楽しかったです。

2018/3/22に佐賀大学感染制御部部長の青木洋介先生のご講演を拝聴しました。この会は開業医向けということもあり、『外来診療に必要な抗菌薬の要諦整理』というものでとても興味のあるものでした。薬剤耐性に起因する死亡者は世界で2013年には年間70万人、何も対策を取らない場合、2050年には1000万人が死亡し癌による死亡者数を超過するとも言われています。私たちかかりつけ医が薬剤耐性をつくらないように、外来での抗生剤処方をきちんと学んでおく必要があると思います。
今回お教えいただいたこと
風邪症候群
・普通感冒:嚥下時違和感、喉の奥の乾燥感
・気管支炎:咳がでるのは気管支が主体
・副鼻腔炎:最初はウイルス、1週間続く場合に細菌性を考える
・咽頭炎:溶連菌
Centor score
(咳がない、喉が痛い、発熱、前頚部リンパ節炎)
咳がないのは気管支炎ではない
溶連菌は咽頭のみ、EBは全身感染症なので、肝炎を起こす
ペニシリン系抗菌剤
耐性獲得している場合はオーグメンチン(サワシリン+クラブラン酸)
セフェム系
①世代:ケフレックス:95%吸収される 500mg 2g/日 UTI
⓶ケフラール:80%吸収される
③ セフゾン、メイアクト、フロモックス:15~20%しか吸収されない:処方する意味はないが、腸管には流れるので、耐性菌を作ることは考えられる。
UTIにはセ①世代を
肺炎の場合(肺炎球菌、インフルエンザ菌)にはセ⓶世代を、①世代は効果なし
クラビットの吸収率は100% 内服=div (胃のオペ後などは吸収落ちる)
市中肺炎
・声帯の上:溶連菌
・声帯の下:肺炎球菌、インフルエンザ菌
PEK ( プロテウス、Ecoli,クレブシエラ):1世代セフェムOK
胆嚢炎があればPEKを考えセファゾリン
UTIもあればPEKを考え、ケフレックスをまず使う。
第2世代は肺炎に使う。
基礎疾患のない気道感染症にはクラリス、ジスロマックは効果あり
ダラシンはPEK(肺炎球菌、大腸菌、クレブシエラ)には効かない
咽頭炎が主訴のときには
急性HIV感染症を忘れない。
HIV感染2.3週ででる全身のウイルス感染症
HIVは日和見感染症ではない。1か月で治り、5~10年でAIDS
急性HIV感染で見つければ1T内服で天寿まっとうする疾患
感染者の8割が急性HIV感染症状を呈する。
咽頭痛で後方病院へ送るポイント
開口障害(深部への炎症波及)、口蓋垂偏移のある咽頭炎
肺炎で痰がでるの膿のドレナージ効果、痰はばい菌を外に出すために必要(WBC)
DMでは痰が作れない。好中球の働きがないので、痰が作れず、局所に閉じ込めるようになり、フィブリンが来て膿瘍を作りやすい。そこに嫌気性菌が関与する。
嫌気性菌ではβラクタマーゼを出しているのがほとんどなので、βラクタマーゼ阻害剤含有抗菌剤がよい。
噛みきず
サワシリンよりオーグメンチン
猫、犬はβラクタマーゼはあまり出さない
猫は牙が鋭くて深い、牙の連鎖球菌、嫌気性菌は手根骨の深くまで感染
犬はあまり深くない
抗菌剤5日は必要(とくに猫)オーグメンチン
採血には必ず手袋をする
肺炎球菌、インフルザ菌、モラキセラ
市中肺炎、ユナシン(3g x2)、ロセフィン(1x) (ゾシン、メロペンは必要ないことが多い)
異型肺炎(肺以外に異常がある):マクロライド、ミノサイクリン
マイコプラズマ
60才以下、
全身感染症で、その一部として肺炎を呈する。時に咽頭痛が主訴のことあり
肺胸郭以外に異常があれば異型肺炎を考える。皮疹、肝機能異常、表在リンパ節蝕知
異型肺炎を考えればマクロライドを処方する。
画像では胸膜下は侵さない。気管支繊毛が好き:細気管支レベルを侵し、肺胞上皮細胞は侵さない
非定型肺炎の中に結核を入れておくこと
βラクタムが効かないとき、マクロライドにかえる場合は結核菌のチェックもする
非定型肺炎を疑う臨床像(マクロライドを使うべき肺炎)
・60歳未満
・基礎疾患がない
・頑固な咳嗽
・聴診所見が乏しい
・喀痰がない、
・WBC 10000未満
・肺胸郭外にも異常を認める
結核もこの範疇にはいることを忘れない。
尿路感染症
ケフレックス、培養を出すこと、バクタ(ST合剤)もよい
キノロン耐性大腸菌にはホスミシン、バクタ、ESBL(+)にはメロペン
市中肺炎と非定型肺炎の鑑別の重要性
非定型肺炎を疑う場合は結核も想起し、抗酸菌チェックもすること
咽頭炎の中に急性HIV感染が隠れている。
尿路感染症は大腸菌が多いが、キノロン耐性、ESBL産生菌がでている
必ず尿培養を出し、①世代セフェム(ケフレックス)、バクタ(ST合薬)がよい。
私自身の知識不足もあり、とりとめのないまとまりですが、勉強になりました。
とくに急性HIV感染のお話はインパクトがありました。また企画していただいた先生方に感謝です。

2016/10/11に開業して、現在私と一緒に働いてくれている仲間たちです。おかげさまで良い人材が集まってくれています。
私も含めてみんなで『永続的に自己研鑽を積み、地域のニーズに答える』ことを胸に地域の皆様のお役に立てるように、踏ん張っていきます。

佐賀市医師会と基幹病院との懇親会が2/16にありました。これは佐賀市医師会の開業医と佐賀市の基幹病院(佐賀大学附属病院、好生館、佐賀中部病院、国立病院機構佐賀病院)との懇親会で、顔の見える関係を作る目的で始まったそうで、私も参加するのは開業してからになります。今回は好生館病院の各科部長の先生方との会でした。私たちの役割は、目の前の患者さんをトリアージして基幹病院の専門外来に紹介すること、逆に基幹病院の役割は高度で専門的な医療を提供し診断、治療を行い、慢性疾患の方々は地域のかかりつけ医に託すことになるかと思います。
どちらが上とか下とかではなく、地域の患者さんの医療を支える上ではパートナーですし、よりよい関係を保つことが求められます。今回の会で、好生館の先生方のお話を聞いて思いましたことは、好生館でも医師不足が顕在化しているということ、しかしその中でも水準の高い医療を提供するために努力をされていることを感じました。
以前大学病院に勤めていた時に、診断困難な腹膜炎の患者さんが開業医の先生から紹介され、加療しました。その患者さんの検討会を、大学病院で行いました(紹介してくださった高齢の開業医の先生も参加されていました)。私は司会でもあり、高度な医療機器もお持ちでない開業医の先生が、所見が軽微であったのに、大学病院へ紹介するという判断に何故なったのかをお聞きしました。『この患者さんは、外来で診ており、この患者さんが痛がるのはただ事ではないと思いましたから…』とのコメントを聞き、個々の患者さんのパーソナリティを熟知して、患者さんの声に耳を傾け、適格に判断された開業医の先生にとても感動したのを覚えています。またその開業医の先生はこまめに大学病院の検討会にも参加されており、お互い見知った関係であったことも、患者さんを送ることに躊躇しなかったことの理由の一つに思います。私はまだまだ上述の開業医の先生のレベルではないですが、基幹病院の先生とよい人間関係をもつことは、大切な事だと実感しています。またこのような会を定期的に企画していただける佐賀市医師会の理事の方々に感謝です。
内視鏡学会セミナーに参加してきました。
18.1.21にJR博多シティアミュプラザで開催された内視鏡学会九州セミナーに参加してきました。朝9:00~16:10まで食道、胃、胆管、小腸、大腸の疾患について基礎的なことからトピックスまで幅広く網羅されたセミナーでした。消化器内視鏡医であれば是非知っておいて欲しいという会長及び演者の先生方の想いが伝わるようなセミナーで勉強になりました。とくに勉強になった点をいくつか記載します。
ヘリコバクターピロリ感染は一般の方々もよく知っている疾患で、当院でもよく抗体検査を行いますが、注意点について教えていただきました。
ヘリコバクターピロリ感染症
血清抗体価が陰性でも、値が高いものの中にはピロリの現感染、既感染が含まれる
・3~10U/mlでは22.6%の現感染、60.6%の既感染がみられたという報告がある。
・除菌による有意な胃がん抑制効果が確認されている。
・一方除菌後の胃癌は表面形態が判別し難くなることが多く、内視鏡観察には注意が必要。
次は下痢で大腸検査をすることは多いのですが、忘れてはいけない感染性腸炎のご講演があり、教科書的なことも含めて再度教えて頂きました。
感染性腸炎の内視鏡診断
・血性下痢、2週以上続く下痢、免疫不全や性行為感染症のハイリスク患者の下痢は感染性腸炎の鑑別が必要
カンピロバクター;回盲部から右側に炎症所見があることが多い。CTで腸管の漿膜まで炎症が波及することがあり、腹膜刺激症状あり、便スメアでらせん状のグラム陰性桿菌
サルモネラ、鶏卵、肉、ペット
カンピロに似て右側結腸に所見が多い。粘膜内の出血班。
UCとの鑑別が必要、サルモネラは直腸は侵されない。
白い健常粘膜の中に赤、経過は急性
UCは赤い粘膜の中に白い部分がある。経過は慢性
右側腸管壁の肥厚が特徴
エルシニア
クローンとの鑑別
縦走潰瘍は腸間膜付着測のクローンと一定性のないエルシニア
O-157
うろこような発赤、縦走潰瘍、腸管壁の肥厚、ときに重責を起こす
内視鏡で血便をみたら疑うべき
HUSをおこすので、病初期の短期間の抗生剤の投与が望まれるので、
早期にベロトキシン、O157の抗原キット 15分で判断できるので、有用
偽膜性腸炎CDI
ディフィシールは培養が難しい、酸素が嫌いな菌、酸素がすくない
R,Sに病変が多い。腸液でグラム陽性の桿菌がみられる。
CD toxin、 CD抗原チェックが簡単にできる
腸結核
輪状潰瘍、萎縮帯がある。新旧活動の病変が混在するのが特徴。少ない菌で腸管のリンパ組織の強い反応が起こる。
MAC腸炎
HIVなどの方に頑固な下痢、るい痩、があり、十二指腸下行脚がおかされる
クラミジア腸炎、直腸でいくら状の隆起、生検で確信が難しい。
組織をスライドでほぐして、産婦人科にあるクラミジア経管炎のキットを使うと陽性になる。クラミジア診断キットが有効
ウィップル(Whipple病)
HTLV1にでる
びまん性の白色柔毛が十二指腸に見られる。肥満細胞が充満している
アニサキス
SMT様に腫れる部位
アメーバ性大腸炎
介在粘膜は正常、たこいぼびらんから汚い白苔がでる。生検ではこの白苔部分も必要
糞線虫症(沖縄などに保虫者が多い)
高齢者がステロイド加療、手術後、原因不明のグラム陰性の菌血症、麻痺性イレウスをおこすことがあり。
12指腸の下降脚に白色絨毛→好酸球を伴う虫がある
大腸でも生検ででる。
クリプトスポリジウム症
若い人が下痢でどんどんやせる。HIVに見られる。
なにもひっかからない。培養も陰性、腸粘膜にも異常なしの場合に疑う
終末回腸:クリプトスポリジウム、便培養(ショトウこうばい遠心法)
サイトメガロウイルス(CMV)腸炎
血管内皮細胞が好きなんで、血管が支配している領域がズボットおちる
深掘れ潰瘍。組織では巨細胞封入体
ヘルペス食道炎
浅い潰瘍、小さな水泡→大きくなって破れて浅い潰瘍を形成する。
セミナーの準備をしていただきました関係各位の方々にお礼を申し上げます。勉強になりました。中島 裕


1/17に開催された認知症サポート医フォローアップ研修を受けてきました。
今回は
レビー小体型認知症(DLB)の臨床ー新しい臨床診断基準を踏まえてーというタイトルで
熊本大学/神科:橋本 衡先生のお話でした。
レビー小体型認知症の新しい診断基準から実臨床までのレクチャーでした。私なりに今回のご講演についてまとめてみました。
レビー小体型認知症の定義:多数のレビー小体が大脳皮質に出現し認知症を呈するもの
アルツハイマー病(AD):βアミロイドの沈着を契機に神経変性をきたしさまざま神経変性過程が進展呈するもの
原因物質の違いによる症状が変わる レビー小体の主成分はα-シヌクレイン
DLBの頻度10~20%
熊大での認知症外来ではDLB 13%
頻度はAD>AD+脳血管障害(ラクナ梗塞)>DLBであり純粋な脳血管障害単独の認知症は7%程度で、DLBはADについで頻度の高い変性疾患であるということ
DLBは臨床診断による(2017改定)。2005年度版はADとの誤診が多かった。
・臨床症状、バイオマーカーの二つを柱とする
中心的特徴:認知症であることが必須
そのうえで
・認知機能の変動、・幻視・特発性パーキンソニズム、・RBD(レム睡眠行動異常)
このうち2つあればOK、1つ+バイオマーカー1つでほぼ確実にDLB
DLBの臨床診断基準(McKeith et al.2017)
支持的臨床特徴(頻度が高い):生活に関わってくる。DLBに特異的ではないが、頻度が高い症状で、日常のQOLにとても関わる。生活にかかわる症状で、治療やケアの際に留意が必要。
①抗精神病への重度の過敏性(リスペリドンであっという間に体が硬くなる等)
②姿勢の不安定さ
③繰り返す転倒、
④失神、一過性の無反応
⑤重度の自律神経障害(便秘、起立性低血圧、尿失禁)
⑥過眠(速いうちから出てくる)
⑦嗅覚障害
⑧幻覚(幻視以外:幻聴が多い)
⑨体型的な妄想
⑩無為、不安、抑うつ
支持的バイオマーカー
①CT/MRIで内側側頭葉の構造物が比較的保たれる,
②SPECTPETで後頭葉の低下が目立つ
③FDG/PET
④EEGにおける後方有意の除波
DLBの認知機能障害
・記憶障害
(これが強いのはAD、 他は軽い)
ADの物忘れは人から言われても思い出さない。痕跡もなく抜けてしまう。強い記憶障害。
DLBは軽い記憶障害、ヒントで思い出す。再認ができる認知症(AD以外はこれで、記憶障害は軽い)しかし主訴は物忘れという記憶障害が多い(半数程度)。
・幻視
幻視がよくでて、それをよく覚えている(ADは痕跡もなく忘れる)。
・視覚認知障害:見たものの認知が悪くなる、MMSE 立方体の記載、重なった5角形の記載が当てはまる。
・遂行機能障害
・注意障害(ぼんやりしている、反応が鈍い)
この認知機能が変動するのが特徴
何が変動するのか?注意が変動する。なんの誘因もなく
しっかりしている日と、ぼんやりしている日がある
立方体の模写ができる日とできない日がある。
せん妄に見えることもある。
しかし変動があるかどうかの確認は難しい。
幻視:DLBの幻視は基本的に具体的な幻視、具体的に人や虫、物が見える。人物が多い。
パーキンソン症状
最終的には85%程度に見られる。
パーキンソン病とDLBはほぼ同じ、病変が脳幹と、大脳皮質の違い
DLBは振戦がでにくい。無動が多い、少し前かがみで動きが遅い、
DLBでは左右差がない(パーキンソンでは左右差が強い)
無道、振戦、筋強剛の一つがあればパーキンソン症状(+)としてよい。
REM睡眠行動障害(RBD)
REMは夢をみて、筋肉が弛緩している状態。夢で外を飛ぶ時、実際に飛んでもらったら死ぬ。DLBではREMの筋弛緩が見られない。夢は怖い夢が多く、噛みついたりすることが多い。ベットパートナーへ噛みついたりする。
RBD+認知症の方の剖検では98%がDLB →RBDが中核症状に昇格した。
RBDは初期からみられることが多い。5.6年たっても認知症にならない方が多い。
RBDはDLBが進むと目立たなくなる。寝ている時の脳波でようやく診断つく。診断が難しいが、寝言も大事な情報
DLBの60%で寝言、血管性認知症でも30%は寝言がある。
DLBのRBD:寝言の頻度、とくに大声でわめくような寝言(隣の部屋でもわかるような)があればDLBの可能性が高い。4割に見られ、特異性が高い
バイオマーカー 画像検査
MIBGの心筋への取り込みを見る、MIBG心筋シンチ、DADスキャン:ドーパミントランスポーターの尾状核から被殻への取り込み低下
1つが陽性で、たとえば幻視があればDLBと診断してよい。
支持的バイオマーカー
SPECT/PETで後頭葉の血流低下は有名だが、特異性は低いということになった。しかし診断には有効だ。しかし後頭葉がおちていないDLBも3.4割程度ある。
MRIで海馬の萎縮がないのが有名だが(ADは強い萎縮)、萎縮のあるDLBもある。
DLBではEEGにおける後方優位の徐波をしばしば経験する
薬物治療
根本治療はない、αシヌクレニンは除去できない。
認知障害:ドネペジルでMMSEで平均3点上がる。すごく効果があるひとがいる。何か改善するのか?
効果は注意障害の改善による。記憶障害は変わらない。ぼんやりしていた人がシャキとなる。
BPSD:ADと有意差があるのは
DLBのBPSDはどんなことがあるのか?妄想、幻覚、不安、睡眠障害がDLBに特徴的
リバスチグミン、アリセプト(コリンエステラーゼ阻害剤)は効果あり
しかし副作用として食欲低下がおこる。
抗精神病薬は副作用(錐体外路症状)がでるので使わない。
DLBのパーキンソン症状(L-dopaを使う、それ以外アゴニスト系は幻覚妄想が悪くなる)
効果はパーキンソン病で使うときに比べると少ない。
ChE阻害剤は幻覚、妄想、認知機能障害にはよいが、頻尿、パーキンソニズムには悪い
抗コリン剤は頻尿、尿失禁には良いが(頻尿で夜眠れなくて困るなど)、幻覚、妄想、認知機能には悪い
抗精神病薬は幻覚、妄想には良いがパーキンソニズムには悪い
抗パ剤はパーキンソニズムには良いが、幻覚、妄想には悪い
本人、ご家族が最も困っていることを加療をする。
DLBの介護負担が高い理由はBPSDが強く、ADL低下が強いため(パーキンソンニズム)
変性疾患の中で思ったより頻度の高いDLBを早期に発見することが、まずは私たちかかりつけ医がすべきことだと思いますが、勉強になりました。研修会を組んでいただいた佐賀県長寿社会課方々へ御礼申し上げます。中島 裕

学生時代から含めると30年以上の付き合いになる、友人がお父様の医院を改築して2/1より新規開業することになり、その内覧会に行ってきました。1年3か月前に同様の経験をしただけけに、彼がとても緊張しているだろうなと思いながら、土曜日の診療が終わった後、筑前町へ向かいました。田園風景の中の住宅街にその医院はありました。駐車場も比較的ゆったりとあり、清潔感があふれるクリニックでした。内覧会は手づくりでほっこりしたもので、彼の人柄を思わせました。なぜかクリニックの真ん中には大きなアンテナがありとても目立っています。実はこのアンテナはもともとあり、それを損なわないように建物を建てたそうです。ユニークな彼らしいこだわりです。
田口順先生、身体に気を付けて、ともに地域医療に励みましょう。



昨年国内初の慢性便秘症診療ガイドラインが日本消化器病学会が主体となり発刊されました。便秘という疾患は外来診療で非常に高頻度に見られるものですが、今まではスタンダードな治療指針というものがなく、各医師の経験に元ずいて加療されていることが多い疾患でした。ようやくガイドラインが発刊されたことで今後便秘診療は安易な下剤処方から変わってくることが望まれます。便秘の有病率は年齢とともに上がりますが、平均男/女:2.5/5%です(65歳以上男/女 6.5/8.1%、75歳以上9.6/10%)。便秘の加療を行う上で便秘の診断が最初の大事なステップになります。では便秘の定義とは何でょうか? 便秘は、いろんな定義がありますが、ガイドラインでは単純に『本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態』とされました。文章にすると難しいですが、3日に1回でも1週間に1回でも快適に排便があれば、便秘ではなく、逆に毎日排便があっても、排便に苦痛を伴ったり、残便感があったりすれば便秘ということになります。吐き気でクリニックに駆け込まれる方は多いのですが、便秘で受診される方は少ないのが現状です。便秘も1つの病気です。市販薬の下剤を頻用される女性の方は多いのですが、市販の下剤を頻用することで大腸メラノーシスという大腸粘膜が黒くなってくることはをばしば経験します(内視鏡画像参照)。そうなると大腸自体の蠕動機能が低下し、ますます下剤が必要になるという悪循環になります。ご心配な方はいつでもご相談ください。中島 裕
正常腸粘膜

市販の下剤頻用された方の腸粘膜

新年あけましておめでとうございます。開院して2度目の正月になります。職員も増えてまいりました。まだまだ至らない点もあるかと思いますが、今後も地域の皆様に喜んでいただけるようなクリニックになれるように、努力していく所存ですので、今年もよろしくお願いいたします。中島 裕



毎週2回(水・土曜の午後)クリニックの休診日に地域の方々へトレーニングを始めて10ヶ月が経ちました。
みつおか式脳若トレーニングというツールを使ってトレーニングを行っていますが、この度、創始者光岡眞里氏が本を出版され、当院も紹介して頂きました。
1講座60分という時間はじっくりと受講者さんと関わりを持てる時間です。日頃の短い外来診療では得る事のできない貴重な時間を皆さんと共有しています。
来年はどんな出会いがあるのかと、わくわくしています。

本日の土曜クラス コミュニケーションゲームは楊枝入れ作成です✨
このクラスは男性受講生が多い事もあって先日の水曜クラスより難易度の低い作品を石渡コミュニケーターが用意してくれました。
楽しく会話が弾み、それぞれ好みの生地を選んで作りました。女性陣は短時間で完成され、おさらいしたいとの事で二個目を作成されるバイタリティ溢れる方2名。素晴らしい✨それぞれの個性が反映された素敵な作品ばかりです。手先を使った作業は脳血流が増すようで、今日も脳の若返り大成功です👍
面白かったのが、二組のご夫婦がお互い似たような生地を選んでおられたところ。長年連れ添って来られたからこそ好みも似るのでしょうね😊
中島美和子
