症状から探す
生活習慣病
発熱
急に出現した発熱の多くはウイルス性感染症(いわゆる風邪、上気道炎症候群)で、数日で軽快しますが、随伴症状によっては他の疾患の可能性があります。たとえば血痰、血尿、血便、頭痛、胸痛、腹痛、関節痛、排尿時痛、嘔気、嘔吐、呼吸がしにくい、下痢が続く、発疹、そのほか心配な症状がある場合は早めにご相談ください。
上気道炎、気管支炎、肺炎、熱中症、薬剤熱髄膜炎、腎盂腎炎、結核、蜂窩織炎、膠原病(関節リウマチ等)各臓器の癌
頭痛
頭痛は頻度が多く、その多くは命にかかわるものではありませんが、しかし、くも膜下出血のように重篤な疾患が隠れていることがあります。とくに急に、今までに経験したことがないような頭痛や、だんだん痛みが強くなるような頭痛の場合は夜中でも緊急に受診する必要があります。以前から同様の頭痛がある方は片頭痛や緊張性頭痛のことが多く、治療により改善しますのでご相談ください。
片頭痛、緊張性頭痛、薬剤乱用性頭痛、高血圧緊急症、脳腫瘍、くも膜下出血、髄膜炎、三叉神経痛、大後頭神経痛、睡眠時無呼吸症候群
リンパ節が腫れている
多くの原因は感染や炎症に伴うものですが、抗生剤の投与が必要なものや、癌などの重篤な疾患が隠れていることもあります。腫れが持続している場合にはご相談ください。
頭炎、ウイルス感染症、薬剤性、甲状腺機能亢進症、結核、各臓器の癌
のどが痛い
外来を受診される理由としては頻度の高い症状です。多くは命に関わるものではありませんが、ときに重篤な疾患の一つの症状として現れることがあります。とくに呼吸がしにくい、口を大きく開けられない、痛くて飲み込みが出来ない等がある場合は早めにご相談ください。また多くの感染性咽頭炎は2週間以内に症状が消退するのが通常ですので、2週間以上続く慢性の場合もご相談ください。
感染性咽頭炎(ウイルス性、細菌性)、扁桃炎、連鎖球菌性咽頭炎、急性喉頭蓋炎、伝染性単核球症、扁桃周囲膿瘍、亜急性甲状腺炎、逆流性食道炎、咽喉頭癌
動悸がする
自分自身が感じる心拍の異常のことを指します。その半数近くは不整脈や弁膜症などの心臓由来のもので、心因性、薬剤、甲状腺疾患などが続きます。失神(意識を一時的に失う)、胸痛、息切れに伴う動悸の場合は早めの受診(循環器内科)が望まれます。
感染性咽頭炎(ウイルス性、細菌性)、扁桃炎、連鎖球菌性咽頭炎、急性喉頭蓋炎、伝染性単核球症、扁桃周囲膿瘍、亜急性甲状腺炎、逆流性食道炎、咽喉頭癌
手足が腫れる(浮腫)
血管から水分が漏れて間質に溜まることによります。原因としては心機能低下、血管の透過性亢進、水分を把持する蛋白の低下、リンパの流れが滞ること、薬剤、アレルギー等が考えられます。
心臓弁膜症、心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群、蛋白喪失性胃腸症、低栄養、深部静脈血栓症、リンパ管閉塞
めまい
めまいの内容としては天井が回転する、意識を失いそうになる(あるいは実際意識を失う)、平衡感覚の異常、頭部がふらつくなどが挙げられます。とくにいままで経験のしたことのないめまい症状が急に出現した場合は脳梗塞の初期の可能性があり、意識を失いそうになる(あるいは実際意識を失う)場合には貧血、心臓疾患、低血糖発作などの可能性がありますので早めの受診が望まれます。
末梢性前庭障害、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、不整脈、貧血、薬剤性、心因性、脳卒中
咳が止まらない
咳には粘液、分泌物、異物を気道から除去する役割があり、身体にとっては大事な反応ですが、急性の咳は通常は自然治癒し、長くても3週間以内です。原因としては多くは風邪と言われるウイルス性上気道炎によるものです。ウイルス性上気道炎、副鼻腔炎、急性ウイルス性、細菌性気管支炎、感染性肺炎慢性閉塞性肺疾患の急性増悪、アレルギー性鼻炎、環境因子による気管支刺激、高齢者の慢性誤嚥慢性の咳は3週間以上続く咳で、ときに命に係わる疾患が隠れていることがあります。御心配な場合はご相談ください。
喘息、慢性アレルギー性鼻炎、後鼻漏症候群、逆流性食道炎、慢性閉塞性肺疾患、気管支拡張症、肺癌、薬剤性、心因性
乳房にしこりがある
乳房に関する患者さんの訴えで多いのは、乳房のしこり、乳房痛、乳頭分泌物とされます。これらの訴えの多くは良性の原因ですが、悪性のものもありますので注意が必要です。とくにしこりが動かない時、しこりがいくつもある時、片側の乳房にだけ見られる場合、月経周期と関連しない場合、乳頭より血性分泌物が見られた場合は早めに乳腺専門医の受診をおすすめします。またしこりを感じる方は上記の症状がなくとも一度は乳腺外科の先生の受診をお勧めします。乳がんは食事の欧米化とともに日本でも頻度が増えています。とくに若い女性でもしばしばみられるがんの一つでもあります。症状がなにもなくても乳がん検診は是非定期的に受けていただくことをおすすめします。
線維嚢胞症、繊維腺腫、乳腺炎(授乳期)、乳がん
トイレが近い、排尿時に痛みがある、尿の出が悪い
腎臓で尿を作り→尿管→膀胱→尿道を通って排尿します。この一連の通り道を尿路と言います。膀胱及び尿道近傍には男性であれば前立腺、女性では外尿道口(尿がでる部分)と膣口が前後に並んでいること、尿道が男性に比べて女性が短いことが解剖学的な特徴になります。そして泌尿生殖器とひとまとめにされるほど、排尿に関与する器官と生殖器官は密接な関係があります。排尿に関する症状の原因疾患として最も多いのは尿路感染症で、成人女性のほぼ25%が急性の排尿困難症状を経験しているという報告もあります。
膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、子宮頸管炎、外陰部膣炎、腎盂腎炎膀胱癌、前立腺癌
一方慢性的にトイレが近いという場合は感染症より、膀胱~尿道になんらかの器質的な異常があることが考えられます。
男性:前立腺肥大、前立腺癌
女性:過活動膀胱
もの忘れが増えた
人はだれでも年齢とともに身体は老化して、若いころのように動けなくなってきます。それは脳にとっても同様で、思い出すのに時間がかかり、きっかけが必要になったりします。このような加齢に伴うもの忘れは、だれにでも起こります。しかし認知症の初期症状として、もの忘れがありますので、注意が必要です。認知症は2025年には700万人を越えると予測されています。これは65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症に罹患する計算になります。もの忘れが最近目立つと思われる方のご家族の方は早めに専門の医療機関へ受診されることをおすすめします。
手先が震える
医学用語では振戦というものです。じっとしているときに出るもの(安静時振戦)、何らかの動作を行うとするときにでるもの(動作時振戦)があります。安静時振戦はパーキンソン病でしばしば見られ、動作時振戦は本態性振戦という震えのみが症状の良性疾患で見られます。ふるえを訴えられる患者さんで最も多いのは本態性振戦で、日常生活に支障がなければ加療の対象にはなりません。ご心配な方は一度神経内科専門医の受診をおすすめします。
本態性振戦、パーキンソン病、脳血管疾患、多発性硬化症、薬剤性、甲状腺機能亢進症
生活習慣病
高血圧
2010年国民健康・栄養調査によると,30歳以上の日本人男性の60%,女性の45%が高血圧(収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上,または降圧薬服用中)と判定されています。また心臓血管死(心筋梗塞等)、脳卒中でなくなる方の5~6割が高血圧によるものとの報告もあります。
多くの高血圧が原発性(動脈硬化等、年齢の増加とともにみられるもの)で、二次性(器質的な原因があるもの、ホルモン異常等)は頻度が少ないとされます。しかし急に血圧が高くなってきた場合には二次性高血圧が隠れていることがありますので、早めにご相談ください。
以前より、あるいは加齢とともに高血圧を指摘されるようになってきた方は、食事運動療法や降圧剤による血圧是正が必要です。目標としては自宅血圧135/85mmHg以下となっています。他の生活習慣病の合併がある方はとくに厳重なコントロールが望まれており、かかりつけ医をお持ちでない方は是非ご相談ください。