RSウイルスワクチン講演会24/5/15in創世 ②
この度麻生飯塚病院から佐賀大学感染制御部へ赴任されました的野多加志先生がこのワクチンについての具体的なお話をされました。いや~とても興味深いご講演でした。
成人のRSウイルス感染症とワクチンの意義
検査していないけど感染していることに注目
かぜsyn:鼻水、咳、1w程度でなるもの、風邪の後に2峰性におこるもの、細菌性肺炎、中耳炎等
かぜsyn:ライノウイルス、インフルエンザウイルス等種々のウイルスがある。
かぜsynで終わるウイルスと肺炎などの合併症になるウイルスに分かれる。Covid19,インフルエンザ、RSは後者である
RSウイルスはA,Bのサブタイプがある。構造上はG蛋白、F蛋白 Gが軌道の繊毛にひっつき Fタンパクはウイルスの中身をいれていく蛋白、G蛋白はABバラバラだが、F蛋白は共通な部分が多いのでそこに対するワクチンを作った。
1歳未満では問題になる。検査でわかる感染症、初感染が重症化しやすい。
終生免疫を獲得しないので、何回もかかってくる。若いうちはよいが高齢者になると問題になってくる。小児と高齢者に問題、インフルエンザと同様、COVIDは高齢者に問題
インフルエンザとの感染力:基本再生産数:1人の感染者が免疫を持たない集団で平均何人に感染させるかという数(COVID19 1.4~2.5 インフル0.9~2.1(1.3)
基本再生産数2、 通常1.3程度RSは3とかなり広がっている。
RSはインフルと似ているが春先までつづくことが多い
インフルエンザVS RS
37.5°はインフルエンザ>RS 呼吸器症状は変わらない。 下気道親和性がRSは強く、痰ゴロゴロ言っているけど肺炎でないのはRSが多い、インフルエンザは嵐のようにドカーンときて消えていく、RSはだらだら続く
潜伏期間はRSの方が長い。
インフルエンザ
5歳以下入院360万人(年間)、死亡10万人、院内死亡3万人
RSウイルス(PCRのできる先進国)
60歳以上のデータ入院50万人(年間)、院内死亡3万人
RSは高齢であればあるほど入院する。50歳以上の1万人当たり200人
基礎疾患のある人は入院率が高い
高齢者でどのくらい
RS陽性(PCRで確認)の入院Ptの転帰
10~30%はICUで10%は人工呼吸器使用している。重症化している
60以上でICUに入っているPT: インフルエンザ関連7%, COVID19 20%, RS 25%
基礎疾患のあるPtは重症かする
COPD,喘息、心不全は増悪する。
小児、高齢者で重症化するが、高齢者の方は孫から感染などが多い
重症細菌性肺炎にも合併していることあり
抗原検査は小児はウイルスを外にだしているので、感度がよいが、高齢者は10~20%程度しか陽性がでない。PCRでみるしかない。
コロナ、インフルエンザ、肺炎球菌と同じようにワクチンは以前から求められて来た。とくにRSのみ治療薬はないので重要性が高い。
高齢者には必須のワクチン
アメリカCDCでは60歳以上では推奨されている。
なぜワクチンできなかったのか
高齢者ではワクチンはつきずらい。アレックスBBは抗原にアンジュバンドをくっつけた。
身体についてフュージョンするF蛋白、くっついた後にF蛋白が変形する。今回くっつく前のF蛋白に対するワクチンを作った。アジュバント は肺炎球菌と同じアジュバントを使っている。これを抗原と一緒に入れることで免疫がドカーンと上がる、初期免疫があがる。持続免疫もあがっている。
アジュバントは筋注する➡自然免疫、獲得免疫ともに獲得するので免疫維持が高い。
打たない人/打つ人、2年目は打たない人
1年目有効性82% (インフル40~60%),基礎疾患がある人の有効性が92%
副作用:発熱が数%高いだけ、倦怠感は2~3割でる。筋肉痛6割
米国CDCで高齢者にインフル・COVID19・RSを推奨している。
米国人昨年RSについてどう考えているか
絶対5割、打つかしれないを入れると7割、covidは2,5割 6割、RS 3割、7割と打つかもしれないを入れるとがインフルと同様
RSワクチン18か月で7割持っているので、2年目でもインフル同様の効果がある。
少なくとも2年はもつワクチン、またRSはインフルより重症化するなどを患者さんに説明しています。
Take home message
RSはインフルと同等かそれ以上の感染力があり、入院や死亡に関してはより疾病負荷が高い。
治療薬、簡易検査がない、重症化しては後の祭りになるので勧める意義がある
とても勉強になる講演会でした。地域のかかりつけ医として地域のみなさんに啓蒙しなければと強く思いました。まずは自分で打ってみることとしています。私なりの備忘録としての文章なのでとりとめのない文章であること、データなどは間違いがあるかもですが、ご容赦ください。
佐賀大学病院感染制御部の青木教授からワクチンの必要性について総論的なお話でした。いつもながらわかりやすいご講演でした。
・上流と下流の話
・予防医療の重要性
The source of problem cannot be solved
RS virus infection がCOPD、喘息の増悪を来す。細気管支炎を起こすと呼気時に呼気が不良となりさらにRS virusが増える。
投資家のウォーレンバフェットのインタビューから
問題解決について問われたときに、問題をが起こらないことに一番の努力をかけたとの由
慢性心不全、DM、LCが増悪するときは市中感染症の関与を考える
問題を起こさなことの大事さを強調されていました。
我々が能動的にできるACT(行動)が予防
下流でおこしてしまうと、問題を解決する事に終始する、我々は受け身なのである。
Reactになる。受動的な労役なのである。努力を強いられる状況になる
感染を契機に増悪するCOPD,喘息、慢性心不全
You can’t solve upstream problem downstream.下流では上流の問題は解決できない。
上流で治水をしなければ下流の氾濫は止められない。
ワクチン後の世界は何もおきないのでわからないけれども、起きてからの状況を考えるとなにもおきない状況がいかに大切か、上流での治水がワクチンということ。
2/16の肝がん対策研修会に参加してきました。同じ医局の先輩である久留米中央病院の板野哲先生と、久留米大学消化器内科教授である黒松亭子先生のご講演を拝聴しました。板野先生は進行肝がんに対する極めて専門性の高い治療の実際のご講演でした。黒松先生のお話は実地医家である私たちも知っておくべき肝がんのお話でした。以下自分なりに要点を記します。
直接作用型抗ウイルス薬(DAA)によりC型肝炎が完治するようになりました。しかしSVRというC型肝炎ウイルスが検出されなくなった後でもしばしば肝がんが発生しており、慎重な外来管理が必要であること。とくに肝硬変、男性、高齢の方は注意が必要。
生活習慣病の肝臓の表現型であるNAFLD(従来の脂肪肝)、NASH(脂肪性肝炎)が現時点ではB/C型肝炎の患者さんと同数程度(300万人)があるが、増加の一途をたどっていること。すでに肝がんの原因としてはNBNC(非B型/非C型肝炎:NASH, アルコール性等)がB/C型肝炎由来より多くなっているということ。
実地医家の私たちがすべきことは現在フォローしている生活習慣病の患者さんの中で脂肪肝の患者さんを拾い上げてきちんと診ていくこと。肝機能の異常値が少ないので、とくに肝臓に繊維化のあることが推察される血小板低下傾向を見逃さない。Fib4 index(>1.3)を活用すること、エコーを定期的にすること。少量飲酒でも繊維化は進むことが推察されており、しっかりと禁酒を指導すること。肝がんマーカーとして肝機能が良好な方にはAFPが高値を示さないこともありPIVKA-IIのチエックも推奨されていました。
当院では現在B型肝炎やC型肝炎の患者さんは少なく、エコーで肝がんを見つけることが少なくているような気になっていました。一方高血圧、脂質異常症、糖尿病を主とする生活習慣病の方々は多く、その方々にも範囲を広げてエコーをすべきと反省しました。とても勉強になる講演でした。
新年あけましておめでとうございます。1月1日 16:10頃に石川県能登沖で震度7の地震が起こり、大変な年明けとなりました。亡くなられた方々への哀悼の意をささげ、被災に合われた方々の一刻も早い日常生活の回復をお祈りします。また1月2日には被災地支援に向かおうとした自衛隊機と日航機の事故もあり、なんともやるせない正月となりました。
昨年は当院を受診していただける患者さんの利便性更新のため予約診療システムの構築を図りました。しかし医療という特性上急な症状で予約外で受診される患者さんも多く、予約された方も、そうでない方も、また感染症状がある方々(急な発熱、咳、倦怠感、嘔気、下痢、腹痛など)には車での診察となり、なかなかご満足をいただけなかったかと思います。この場を借りてお詫びいたします。
昨年10月で開院して8年目を迎えました。小さなクリニックでありますが、後方病院の支援をお受けしながら、職員一同自分たちにできることを愚直にコツコツとやり続ける所存ですので、これまで通り暖かい目で見守っていただければ幸いです。
私は久留米大学を卒業後 消化器内科(旧第2内科)に在籍しおおむね20年ほどお世話になりました。毎年この時期になると、所属した医局の現役、OBの医師が集まる同門会というのがあります。コロナもあり対面での開催がありませんでしたが、今回3年ぶりに参加してきました。お世話になった先輩、一緒に働いた後輩と久しぶりの再会を楽しみました。私が医局に所属した頃は、多くの医師は大学の医局に所属し、先輩に医師としてのイロハを教えてもらい、その後地域の関連医療機関へ出向し、さらに研鑽をつみます。その後大学の医局へ戻り、各自学位取得の為の研究に励みます。久留米大学は開業医の子弟が多く、研究が終わり学位取得後は開業医として地域医療の現場に散っていくことが大多数でした。実際14人の同期入局した医師は還暦を過ぎましたが、ほとんどが開業医として地域医療を担っています。しかし同期でも優秀だった2人は教授として大学で勤務しています。そのうちの1人の井出達也君(久留米大学医療センター)が今回の同門会の講演者でした。肝臓がんの主たる原因だったC型肝炎ウイルスが発見され、治療が劇的に進み、かっては不治の病だった慢性C型肝炎が飲み薬でほとんど治るようになった30年間を第一線で関わってきた彼の講演はとても興味深いものでした。
他大学の多くの肝臓専門医との共同研究、新薬を含めた40を越える治験、行政を巻き込んだC型肝炎患者の掘り起こし、抗ウイルス薬による非代償性肝硬変による劇的な治療効果など興味深い講演でした。肝がん研究会(肝がんの加療を担っている医療機関の集まり)での九州のデータでは原因No1はC型肝炎からアルコール性肝炎になったことも驚きでした。
私は私なり、自分にできることをコツコツやろうという元気をもらいました。
NHKで放映されていたイタリアの医療ドラマDOCの最終回がありました。イタリアで過去13年間に放送されたテレビシリーズの中で最高の視聴数を獲得した番組だそうです。今までいくつかの医療ドラマを興味深く見てきましたが、このDOCはとてもグッとくる番組でした。謎解きドラマや恋愛ドラマの要素もありますが、医師としての立ち位置を含めていろいろ考えさせてくれるドラマでした。外人コンプレックスなのでしょうか?日本にこんな渋い医者はおらんしとも思いながら…。
新年あけましておめでとうございます。世界中が騒然とした2022年は終わり、2023年となりました。今年は新型コロナも春には5類とインフルエンザと同様の扱いとなりそうで、いよいよコロナと共存する社会となります。またなによりウクライナに平和がくることを祈るのみです。
2023年を迎え、当院の診療時間が変更になります。最終受付が月火木金曜は17:00で診療終了時間が17:30となります。水曜、土曜は従来通り、最終受付12:30、診療終了時間が13:00です。また水曜日は医師1人体制ということもあり、原則予約及び内視鏡検査の患者さんの対応となります。ご迷惑をおかけしますが、小さなクリニックですので、背伸びをせず、当院のみんなで、できることをコツコツと地域の皆様の健康に少しでも貢献できればと考えています。どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
2023年元旦
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は2019年12月中国の武漢市で第1例目の感染者が報告されてから, わずか数カ月ほどの間にパンデミックと言われる世界的な流行となりました。2022年もコロナに明け暮れた1年でした。それに加えて2/24にロシアによるウクライナ侵攻が始まり世界中が騒然とした1年でした。第二次世界大戦以降、77年間、平和を享受してきた日本ですが、外に目を向けますと、ロシア、中国、北朝鮮と世界でも有数の武力を前面に出す国々を隣国に持っており、不安になります。一方国内に目を向けますと、7/8に稀代の政治家の安倍晋三元総理の銃撃事件は驚愕しました。統一教会との関わりは明らかではありませんが、安部元総理の功績はきちんと評価されるべきと思います。また多くの仕事(医療関係も例外ではなく)で叫ばれる人手不足が危惧されます。とくに産科、小児科の先生方は著明な少子化を肌感覚として強く感じられているようです。
明るいニュースとしてはスポーツの世界で、昨年をうわまわるMLBの大谷選手の活躍、サッカーワールドカップでの予選リーグで、ドイツ、スペインを破り1位通過の日本の活躍が心に残ります。
クリニックに目を向けますと、コロナ感染、上気道炎、ウイルス性胃腸炎を主とする発熱外来を行いながらの通常診療はなかなか思うようにできず、おいでいただいた患者さんの中にはご不満な方もおられたかも知れません。この場を借りてお詫びいたします。今年当院で行った改善は、患者さんの待ち時間を減らす目的で2月にウエブ問診の導入、5月に次回受診予約の開始、7月に胸写の診断補助としてAiの導入、9月に自動精算機の導入、10月にライン連携による受診予約の開始等が挙げられます。小さなクリニックですが、開業して7年目を迎え、今年も『牛歩の如く』できることをコツコツとやってきました。足りないところは多々あるかと思いますが、暖かい目で見守っていただければ幸いです。本年もお世話になりました。皆様よい年をお迎えください。
10月30日に医師会から派遣されて佐賀県の高校駅伝の救護班として参加してきました。初めての参加で緊張しましたが、幸いなことにケガや脱水症になる選手もなく何よりでした。男子は鳥栖工業、女子は白石高校が優勝しました。学生の皆さんお疲れ様でした。(写真はインタビューされている鳥栖工業の選手たち)
9/8に英国のエリザベス女王が逝去されました。お父様のジョージ6世の急死の後を受け25歳で急遽即位され96歳で他界されるまでの在位は最長の70年でした。他界される2日前には新首相のトラス氏を任命され、最後まで公務を続けられたことは頭が下がる思いです。英王室は日本の皇室との関係も深く、上皇陛下(当時皇太子)はエリザベス女王の戴冠式に出席され、天皇陛下(当時皇太子)はオックスフォード大学留学中にはエリザベス女王のお茶会や園遊会に招かれて親しく会話をされたとの由でした。皇后さまは直接はエリザベス女王にお会いにはなっていませんが、後継ぎの期待に押しつぶされそうになっていた時にエリザベス女王から「しばらく英国での生活」を勧められるお手紙を頂いたとか、窮地の時に助けてくれる人が本当の友人です。本日天皇皇后両陛下はウェストミンスター寺院で執りおこなわれる、エリザベス英女王の国葬に参列するため、英国へ出発されました。 エリザベス女王のご冥福をお祈りいたします。
衝撃的な一報でした。歴代最長の首相を務めた安倍晋三元総理が選挙応援におとずれた奈良で7月8日午前11時半に凶弾に倒れました。52歳と戦後最も若くして総理になるも持病の潰瘍性大腸炎でわずか1年では辞任しました。体調が回復した後は地域を回り続け、自民党が野党時代の2012年9月に自民党総裁になった後、2012年12月の衆議院選挙で自民党が与党に返り咲くと最長の総理大臣を務めました。その間、選挙には常に勝ち、国民に負担のかかる増税を2回も行い、2014集団的自衛権の解釈変更、2015年に安全保障関連法を成立し、持病の悪化に伴い2020年9月に辞任するまで歴代最年長の7年半政権を維持しました。
安倍総理の功績はたくさんあり、そのことに対する評価は後世に任せますが、私自身は一度どん底に落ちた後に這い上がったきた姿に尊敬の念を感じていました。
母方の祖父は岸信介元総理で多くの批判の中、日米安保を成立させました。父の安部晋太郎氏は総理目前の67歳で病魔に倒れました。安倍晋三氏は父の急死に伴い1993年国会議員になり29年間を駆け抜けました。念願の憲法改正を2/3の改憲勢力を保ちながらも総理時代は急がず、今回の選挙の結果次第で改憲を推し進める意向だったと思います。夢の実現の寸前で、父と同じ67歳での急逝でとても無念であったことでしょう。ロシア、中国、北朝鮮という多数のリスクをかかえる日本にとって大事なリーダーの一人を失った事に対して残念でなりません。今はただただご冥福をお祈りいたします。
2か月ぶりの投稿になります。ロシアのウクライナ侵攻に伴う世界情勢の変化に追いついていくこが出来ていませんでした。連日伝えられるウクライナの人々の悲惨な状況を見ると人はどうしてそこまで他人に残酷になれるのかと思います。さらに足元ではコロナ感染の拡大などなかなか気が重い日々が続きます。昨日5月から新病院へ移転となる境野病院の見学に行ってきました。抜群のロケーション、眺めのよいリハビリ室、日当たりがよく明るい外来などが印象に残りました。新病院になり、境野先生、佛坂先生の2枚看板でさらなる地域貢献を果たされることと思います。
連日日本選手の活躍で楽しませてくれた北京オリンピックが終わりました。念願の金メダルを獲得した選手はもちろん、残念ながら思うような結果が出せなかった羽生結弦選手、小平奈緒選手、高梨沙羅選手などのアスリート達にも心を打たれました。残念ながら銀メダルに終わりましたが、どんな時も笑顔を見せてくれたカーリングのロコ・ソラーレの活躍はとくに楽しみました。コロナ禍で沈みがちな日々が続いていますが、また頑張ろうと思えました。選手の皆さんお疲れさまでした。
新年あけましておめでとうございます。昨年に比べてコロナ患者数も減少傾向で、久しぶりの家族そろっての年末年始をお過ごしであった方々も多いかと思われます。しかしちまたでは新しいオミクロン株のニュースをよく見聞きするようになり、九州では沖縄で猛威をふるい始めたようです。幸いなことに佐賀はまだその報告はないようですが、早晩感染者がふえてくることは想像されます。引き続き3蜜回避、手洗い、うがいの励行をご継続ください。さて当院も開業して5年を過ぎ、少しずつ地元の方々に受け入れていただいているように思っております。なにぶん小さなクリニックですので、基幹病院(中部病院、好生館病院、佐賀大学病院、国立佐賀病院)のバックアップがあってこそ医療が遂行できているといつも感謝しております。
『置かれた場所で咲きなさい』という名言があります。私も今おかれたこの場所で今後もできることをやり続け、地域の皆様のお役にたてることがあれば何よりだと思っています。どうぞ皆さま今年もよろしくお願いいたします。
全国がんセンター協議会(全国のがん専門医療施設が、がんの予防、診断、治療等の向上を目指して1973年に設立)ががんの生存率に関して新たなデータを公表しました。この全国がんセンター協議会は全国のがん専門医療機関32施設が加盟するネットワークとして活動しています。九州では九州がんセンター、好生館、大分県立病院と3施設だけです。今回の報告では、がんの生存率が0.6%引きあがったということです。
加盟施設において2011~2013年に診断された約15万人の5年生存率、2005~2008年に診断された約12万件について10年生存率を算出されています。この集計をもとに約30種類のがんについて生存率を出しています。当院は消化器内科ですので、どうしてもそちらに目がいきます。胃がんは5年生存率、10年生存率がそれぞれ68/55.3%で、前回が67.6/53.7%, 大腸癌は70.4/58.1%で前回が70.3/56.5% とともに予後は改善しています。そのほか多くのがんで予後の改善が見られています。これは現在の治療法や抗がん剤の進歩により、今後さらに生存率が伸びていくとのコメントがありました。喜ばしいことだと思います。しかしデータをもう少し詳しくみると、肝臓がん、胆のうがん、膵臓がんの予後が悪くいことがわかります。膵臓癌に至っては11.3%ときわめて低い値を示しています。またほとんどのがんにおいて病気分類であるステージがI, IIと比べてIIIが差が大きく、IVはさらに低値をとっていることがわかります。臓器毎に詳細は異なりますが、イメージとしてはステージI, IIはがんが発生した場所に留まっている、ステージIIIは周囲臓器や周囲リンパ節に及んでいる、ステージIVは遠隔転移をきたしているような状態です。
いかに早く見つけるか、そして加療のできる後方病院へスムーズに紹介するのかということが、当院のやるべきことと考えています。
10/17に佐賀県庁で行われたコロナワクチン集団接種へ参加してきました。以前参加した佐賀市の集団接種と同様に接種前の予診で接種可能かどうかの判断、接種者の接種前のご不安等への対応でした。今回は看護士さん2人と同室で、看護士さんの接種の見守りまでできました。今回の接種者はほとんどが、高校生くらいの方々で、午前中で300人を越える方々がおいでになりました。ブースは3つでしたので、1ブースそれぞれで100人を越える方々の予診、接種に関わりました。となりのブースには池田内科皮膚科の杉原先生がおられ、救急にたけた杉原先生がおられて安心でした。また県庁職員の方の手配も素晴らしくて滞りなくできたと思います。ありがとうございました。かかりつけの患者さんの個別接種を当院では副院長を中心に行っていました。しかしどうしてもマンパワーの問題、駐車場の問題、他の患者さんとの動線の問題などあり、多数の方々を受け入れることは困難でした。接種会場の拡充は、佐賀県や佐賀市職員の方々への負担もありますが、接種者の方々はもちろん、私のような小さなクリニックで働いている者としてはとてもありがたいことです。また当日一緒に働いた看護師さん達は以前の勤務先で一緒だった2人で、久しぶりの再会で、新人だった彼女たちが立派なナースになっているのを見ることができたのもとてもうれしい時間でした。接種が終わり、県庁に閲覧している県内の企業の展示物をぶらぶらと眺めていましたが、たまたま最近お気に入りのMscoopの商品の陳列がありました。佐賀の木工も素晴らしいです。
2016/10/11に兵庫南で開業して5年が過ぎいよいよ6年目になります。あっという間の5年でした。慢性疾患で定期的においでになる患者さん、検査目的で年に1回おいでになる患者さん、ご家族でおいでいただく患者さん、インフルエンザワクチンでおいでにいただける患者さんなど沢山の方々が当院においでいただき、かかりつけ医としてやりがいを感じている毎日です。『検査が楽でしたよ』『先生、身体こわさんでね』『先生に会うだけでほっとするよ』など言われると、とても心が温かくなり明日への活力となります。基本的に褒められて伸びるタイプです。
残念ながら、症状を説明する原因がわからず、後方病院にお願いすることもしばしばあります。癌が見つかる方もおられます。その際は少し気分が沈みますが、開業医としての立ち位置を忘れないように自戒しながら、いろんな方々の手助けをかりて、自分のできることを職員のみんなと協力してやっていくしかないと肝に銘じる日々です。今回職員達より私自身の検査をするように勧められ、昨日は副院長に外来を頼み、以前お世話になっていたクリニックで下部消化器内視鏡検査を受けてきました。大腸癌の家族歴があるので、数年おきに検査はしています。今回は2年ぶり位の検査でしたが、7個のポリープがあり内視鏡下で切除してもらいました。明日からまた日々の診療に励みます。6年目に向けて待ち時間短縮に向けての予約診療、仕事が忙しくて平日になかなか時間がとれない慢性疾患の患者さんや検査前診察の為のオンライン診療の導入、検査待ち短縮、業務効率を高めて職員の疲弊の軽減をはかりたいと考えています。小さなクリニックですのでかかりつけ医としてどの程度ができるのか分かりませんが、ほんの少しずつでも改善して地域の皆様のお役に立てればと思っています。当院に関わっていただいている皆様、6年目も努力をつづけますので、どうぞ温かい目で見守り、必要時には苦言を呈していただければ幸いです(でも基本的には褒められて伸びるタイプです。しつこくてすみません)。
驚きのニュースでした。菅総理が新型コロナ対策に専念し来る自民党総裁選には出馬しないとのニュースが日本中を駆け巡りました。個人的には安倍前総理のような発信力は乏しいものの、美辞麗句を並べたり、テレビ受けするパフォーマンスより、仕事内容を見てくれというその態度にとても好感を持っていましたので残念です。やりたかった仕事も道半ばで忸怩としたこともあると思います。しかしコロナ禍での東京オリンピック、パラリンピックを開催することで大きなストレスの中で神経をすり減らされたと思います。
総理大臣とは因果な仕事だと思います。ワクチンの副反応で国民の不安をあおったかと思えば、ワクチンが足りないとか、ワクチンの供給が滞っていることへの批判を繰り返している昨今のネットやマスコミの論調には辟易します。権力へのチェック機構としてのマスコミの必要性は理解しています。しかし頑張っている市井の人を応援する論調はよく目にしますが、政治家の頑張りを肯定する論調をみることをほとんど見ないのは残念で仕方がありません。菅総理には引継ぎが終わればゆっくりしていただきたいと思います。コロナとの闘いはまだまだ続くと思います。温暖化に伴う自然災害も頻発しています。市井の私達にできることは限られています。きっと良い日が来ると信じて、ただ目の前のことをたんたんとこなしていくしかないと思います。大谷選手やひいきのチーム(ソフトバンクホークスやサガン鳥栖)の活躍に胸を躍らせながら…。
東京オリンピックが終わりました。オリンピック前には開催に反対意見、懐疑的な意見などいろんな意見はありました。オリンピックに伴いコロナ感染が拡がるリスクも政府の分科会の尾身茂会長からも出されていました。しかし最終的には政治的な決断を菅総理大臣がなされて東京では無観客でオリンピックが開催されました。そしてテレビを介して多くのアスリートの躍動する姿を見ることができて、私自身は幸せな期間でした。またアスリートの方々のコメントを見ると、多くの選手達がオリンピック開催に尽力された方々への感謝を述べられています。多くのアスリートは20~30代と思います。自分のその年代の頃を思いまだすと気恥ずかしくなってしまいます。仕事に慣れて、いろんなことが出来るようになって自分に自信がつき、目の前のことに積極的に取り組む一方、それがいろんな人達のサポ―トの上でなりたっていることは全く思い至りませんでした。各競技で世界トップレベルの鍛錬をしてきた選手たちが、この東京オリンピックを介して人間的にさらに大きく成長したように思いますし、そのような選手たちの姿をみることができて幸せでした。8/24からはパラリンピックが開催されます。いろんなハンディキャプを乗り越えて戦う姿勢をまた見ていきたいと思います。
一方新型コロナウイルス感染の拡大はまだまだ止まりません。佐賀でも報告数が増えてきています。デルタ株に代わってきて感染力がさらにアップしている為かとも思います。ワクチンの供給が滞り、若い世代の中にはまだ打つことができていない方も多数おられます。接種会場の予約もいまだ出来ていない状況のようです。8/8(日)には接種会場でのワクチン接種のお手伝いをしてきました。佐賀市役所の方々、医療系の各職種の方々など多数の方々が関わっています。ワクチンをまだ打てていない皆さん、いろんな方々が皆さんの命を守るために努力しています。焦らずもうしばらくお待ちください。
2021年も後半になってきました。いよいよオリンピックも開催間近となりました。コロナが影を落としているせいか、オリンピックの誘致が東京に決まった時の高揚感は見る影もなく、『さあオリンピックだぁ』と浮かれ気分になれないのは私だけではないようです。東京では無観客での試合になってしまいました。池江選手の復活など感動することもあり、ただただ日の丸を背負って出場する選手のみなさんには思う存分力を発揮してもらいたいものです。スポーツには大きな力があります。普通の人間ではできないようなことをアスリートはやってみせ楽しませてくれます。最近のメジャーリーグの大谷選手の活躍にはワクワクしています。100年前のベーブルースと比べられるような活躍には驚きです。以前ソフトバンクと日ハム戦をヤフードームに観戦に行きました。その時に大谷選手のレフトスタンドへ流し打ちのホームランを見たのは良い思い出です。
今日も大谷選手はホームランを打ちました。彼のホームランを見ると、『また打った!よし自分も頑張ろう』という気になります。日本ではイチロー選手が2001年に新人でいきなり首位打者、盗塁王、MVPをとった時も大騒ぎでしたが、それを彷彿とするような大活躍です。すでにその実力で世界に衝撃を与えていますので、今はただケガだけはして欲しくないと思います。