本日は肝がん講習会で久留米大学消化器内科の古賀浩徳教授の講演を聞いてきました。タイトルが『肝臓を知り肝がんを診る』というものです。17年連続で肝がん死亡の10万人比ではワースト1位の佐賀県です。佐賀県肝がん対策医会の先生たちが、医療従事者対象に著名な先生を読んで、このような会を開いて頂けるのはとても有難いことだと思います。慢性C型肝炎は内服薬で完治できるようになってきていますが、まだまだ肝がんで多くの方々が亡くなっている現実があります。昨日のお話で私自身の頭に残ったことです。
・肝臓の特殊な解剖学的構造
・肝がんの加療の上では慢性肝炎、肝硬変という背景因子の評価が重要
・2015年をピークに九州の肝がんは減っている。以前に比較してHCV由来の肝がんは50%を切っており、NBNCの肝がんが増えてきている。その主体は非アルコール性の脂肪性肝炎(NASH)である。肥満、糖尿病がそれに関与している。単純性脂肪肝(NAFLD)は1500~2000万人、肝臓に炎症、繊維化がみられるNASHが300万~400万人いるといわれている。これら疾患ではPNPLA3という遺伝子異常が見られることが注目されている。
・BMI>35では肝がんリスクは4.5倍になる。
・肝がんの治療として以前からあるラジオ波、腫瘍塞栓療法、抗がん剤の動注療法、手術、以外に分子標的治療、免疫チェックポイント阻害剤などが検討中であるが、まだ満足いくようなものではない。とてもわかりやすい講演でした。ちなみに、さすが古賀先生、タイトルがかっこいいです。今後も久留米大学の看板教授として頑張ってください。