嘔吐下痢症①

嘔吐下痢症
いまの寒い時期に多い病気に嘔吐下痢症があります。今回はこのことについて少し書いてみます。
嘔吐下痢症とは読んで字の如く、嘔吐下痢を繰り返し、一般にはウイルス性胃腸症と診断されることが多い疾患群です。有名なものには乳幼児に感染することが多いロタウイルス、集団感染などでニュースになることが多いノロウイルスがあります。
基本的にはウイルス性感染症ですので、本人への治療は対症療法になります。また周囲への感染の拡がりを防ぐ、感染予防が基本対策となります。
・吐き気に対して:
急性期の吐き気が強い時期(数時間~一晩程度)には、口から入れた分吐きますので、無理に栄養や水分をとらないでもよいです。ただ乳幼児、ご高齢の方では脱水で状態が悪くなることがありますので、普段と比較してぐったりしている等の時は早めに小児科に受診してください。乳幼児ではれば座薬や漢方の五苓散等が症状緩和には有効です。
吐き気が少し落ち着いたら、少量の水分補給から開始します。スプーン1杯から初めて、ゆっくり時間をあけて、内容も少しアップして、頻回に入れます。吐いてしまったら、またスプーン1杯からやり直しです。
お勧めの飲み物、OS-1、お茶、リンゴ汁等
嘔気が収まり、下痢だけになったら便の様子を見ながら徐々に食事摂取を行っていきます。
・下痢に対して
成人の方であればお薬で急いで下痢をとめる必要性はないと思います。脱水に注意して下痢がおちつくのを待ちます。内服としてはビオフェルミンなどの整腸剤が基本になります。ただ頻回の下痢で脱水もうかがわれる場合には下痢止めとしてお薬(ロペミン等)を処方したります。
ウイルス性感染症の特徴は、急性発症で、ピークは初期の数日間で、徐々におちついていくものです。逆に症状が増悪する場合は、かかりつけ医、かかりつけ医をお持ちでない方はもよりのクリニックや病院に受診してください。

・周囲への感染予防
嘔吐物への対応が重要ですし、また手洗い、うがいは基本です。
当クリニックのナースが書いた、注意事項をご参考にされてください。

2017年01月04日