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COVID19 (内科学会緊急シンポジウム)

内科学会緊急シンポジウムを視聴しました。日本のCOVID19(新型コロナウイルス)に関しての知見が提示され非常に勉強になりましたので、私なりにまとめて記します。
日本でのCOVID19陽性者はすでに10000人を越えていますが、現時点での解析で以下のようなことが分かっています。
・性年齢分布では20代~50歳代が7割、60歳以上が3割弱、19歳以下は3.5%で男性が6割を占める。
入院経過を追えている516例の解析では有症状は436例(8割)で診断時の症状としては熱、咳(8割)、全身倦怠感(5割)、咽頭痛(3割)、下痢(2割)
重症化率(肺炎、呼吸器装着、死亡)は60歳以上と以下で大きく異なる。
リスクは60歳以上、男性、高血圧、糖尿病,脂質異常症、癌、心血管疾患の併存

COVID19と診断されたときに症状があった方々の臨床経過をみますと
潜伏期5日、発症して6日で診断され、平均16.6日で退院されています。一方COVID19陽性確認時に無症状であった方80例のうち半数は3.5日で発症し、5例は人工呼吸器管理となっています。
診断したあとのfollow upが必要でその2週間の間に急激な変化をきたすことがあることが重要。しかし8割は軽症のまま治ってる病気でもあります。

クラスター
SARSとCOVID19を比較するとCOVID19は無症候性が多い、
SARSは肺でしか増殖しなく、ほとんど重症化する。しかし肺で増えたウイルスが外に出るようなエアゾールプロシージャ―でなければ感染しない。そのためほとんどの感染が医療機関であり、また感染経路を追うことができ、封じ込めができた。
一方COVID19は重症化と感染には相関関係はなく、上気道に感染源はみられるし軽症が多い。このためSARSに比べて裾野が広い。
COVID19感染
クルーズ船、チャーター便帰国者は流行に一切つながっていない。
どのような条件下(例外的に多くの人に感染させる場)でどのような人(例外的に多くの人に感染させる人)が感染させているかを知ることが必要
3密(密閉、密集、密接)+換気量が増大する運動(ジム、卓球)、大声を出す、歌う、
1対複数の密接した接触(夜の接客を伴う飲食店:孤発例の多くはこれ)
クラスタを起こす人の多くは咳、くしゃみがなく、通常の飛沫感染ではない。
普通熱があって咳する人はジムにはいかない

どのような人がクラスタを形成?
上気道のウイルス排出量は重症例ではなく年齢に依存で高齢者で多い。
重症度とは相関しないが、むしろ症状の軽い人の方が活動的でクラスタを形成しやすい
実際にクラスタ形成の多くは咽頭痛・微熱などの軽微の症状がほとんど。短距離のエアゾルが関与していることが考えられる。
通常の風邪のコロナウイルスは10月~7月にみられる。COVID19も同様の可能性あるが…。

今医療者は2つの敵と戦っている。
1つは目に見えない新型コロナウイルス
2つ目は見えない敵が人の心(社会)につくる疑心暗鬼でそれがスタッフ、病院、COVID19感染者への言われのない誹謗・中傷

繰り返し言われていたことは。クルーズ船の受けいれした病院では二次感染は起こっていないということです。
医療者は無用に恐れるのではなくCOVID19に対する正しい理解、一般市民の方々も正確な情報を持ち、8割の接触機会を減らすこと、パニックにならず最前線でCOVID19と戦っている医療機関やCOVID19感染者への配慮が望まれます。
最後に風邪様症状がある方(とくに感染流行地域との関わりがある方)は、まずは自宅待機してください。そして4日間以上の発熱、強い全身倦怠感、呼吸苦、咳が続く場合はまずは保健所内の相談センターへ連絡して指示を仰いでください。

 

2020年04月19日