BLOG

佐賀市開業医・勤務医交流会

6月14日にありました第21回佐賀市開業医・勤務医交流会に参加してきました。この会は佐賀市医師会が佐賀市の基幹病院の先生方との懇親会を定期的に催しているもので、前回は好生館病院で、今回は佐賀大学病院でした。この会は開業してからはほとんど参加させていただいています。今回も各科の先生方の『何かあればいつでも紹介してください』とのお声を頂き、バックアップしてくださる基幹病院が充実している佐賀市の有難さをかみしめています。

2018年06月15日
上村哲司教授

本日は毎回参加させていただいている総合診療ケースカンファランスに参加してきました。ふだんあまりあたることはありませんが、壊死性筋膜炎という予後不良な疾患の症例のご報告と、レクチャーは佐賀大学形成外科診療教授の上村哲司先生の講演でした。実は上村君は私の大学の同期ということもあり、今日は楽しみにしていました。実際の先天奇形、顔面外傷や顔面火傷、耳鼻科や口腔外科領域の腫瘍摘出後の再建などの画像は目を見張るものでした。シートベルト装着義務化、出生率の低下等により、このような症例は減少し、現在は高齢化社会を反映して糖尿病に起因する足病変にライフワークとして取り組んでいるとのことで、他科の医師達と情報共有してよりよい医療を目指していることが感じられました。佐賀大学病院の看板教授としてますますの発展を祈念します。しかし学生時代こんなに真面目だったっけ?

2018年05月23日
かがみの孤城

羽田空港の書店で本を買いました。本屋大賞になった『かがみの孤城』です。帰りの飛行機の中で読み始め、その日のうちに読み終えてしまいました。どちらかというと速読なので、まだよく読み込めていませんが、子どもを持つ親としていろいろ考えさせられる本でした。体調不調になった方で『最近子供が学校に行けなくなって…』と言われた方を思い出しました。そういえば2017年の小学校不登校児は約3万人、中学生は約10万人とのこと。一方学校の先生の中にはうつ病で休職する方が5000人を超えるという報告もあり、教育の現場が今大変な状況になっているのは事実でしょう。ただ大変な状況ということを前面に出した本ではなく、最後に主人公達の結びつきを思い起こさせてくれ、暖かい気持ちにさせてくれるいい本でした。

2018年05月15日
大平善之教授

5/12患者さんには申し訳ありませんでしたが、11時に外来を切り上げて、12:25の佐賀発東京行きの飛行機に乗って、東京で開催されている内視鏡学会に参加してきました。夕方には久しぶりに以前お世話になった大平善之先生と会いました。2006年に登録医として1年間千葉大総合診療部に通って、生坂政臣教授をはじめ、医局員の方々にいろんなことを教えていただきました。その時大平先生は千葉大総合診療部の医局長で登録医の手続きなど事務的な手続きから、私の研修がスムーズにいくようにいろいろ心配りをしていただきました。

そしてこの4月から国際医療福祉大学総合診療部の主任教授になられています。まだ大学病院はできていない為、今は国際医療福祉大学市川病院で日々外来診療に没頭されているようです。お互いの近況から、大平先生の今後の抱負などいろいろお話ができて楽しいひとときでした。

どんなに医療機器が進んでも、患者さんの訴えをまずよく聞くことが一番大切であることを千葉大総合診療部で教えていただきました。生坂先生が千葉大の看板教授になられたのと同じように、大平先生も今後国際医療福祉大学の看板教授になられることと思います。

2018年05月13日
ソフトバンク観戦

家族を連れて恒例のソフトバンク観戦に行ってきました。2000本安打まで後2本となっている内川選手の歴史的瞬間が見れるかもと期待しましたが、残念ながら、内川選手はノーヒット、試合も9回逆転されて負けてしまいました。残念。次に期待します。

子供の頃、父親が『西鉄の稲尾の外角低めの速球はすごかった』とよく言っていました。平和台での野球観戦に連れていってもらうことはありませんでしたし、自分で行ける年齢になった時には、西鉄は西武ライオンズとして埼玉に行ってしまってました。ですからダイエーホークスとして福岡にプロ野球球団ができた時にはとても嬉しかったことを覚えています。佐賀からわずか1時間のヤフオクドームでプロ野球がみれるのですから。少し残念なのは、最近は子供がサガン鳥栖の方に気持ちがシフトしていることです。たしかに鳥栖でJ1の試合を見ることができるのもすごいことなんですが…。

2018年05月04日
内科学会in京都

4/15(日曜日)に4時起きで福岡空港まで行き7時発の大阪伊丹空港行きに乗り、京都で行われている内科学会に参加してきました。9時過ぎからの内科学会の演題を聞き、家族と職員へお土産を買って日帰りで戻ってきました。大きな学会は木曜~日曜まであり、今回のように一部を聞くことができますが、開業医にとっては平日のみの学会への参加はほぼ不可能です。先日(日曜日)福岡でありました内視鏡学会セミナーのように、診療に直結するような一流の講師陣によるセミナーを各地域で開催していただけると本当にありがたいのですが…。

でも久しぶりに小型の飛行機に乗り、なんとなく楽しかったです。

2018年04月18日
抗菌薬

2018/3/22に佐賀大学感染制御部部長の青木洋介先生のご講演を拝聴しました。この会は開業医向けということもあり、『外来診療に必要な抗菌薬の要諦整理』というものでとても興味のあるものでした。薬剤耐性に起因する死亡者は世界で2013年には年間70万人、何も対策を取らない場合、2050年には1000万人が死亡し癌による死亡者数を超過するとも言われています。私たちかかりつけ医が薬剤耐性をつくらないように、外来での抗生剤処方をきちんと学んでおく必要があると思います。

今回お教えいただいたこと

 

風邪症候群

・普通感冒:嚥下時違和感、喉の奥の乾燥感

・気管支炎:咳がでるのは気管支が主体

・副鼻腔炎:最初はウイルス、1週間続く場合に細菌性を考える

・咽頭炎:溶連菌

Centor score

(咳がない、喉が痛い、発熱、前頚部リンパ節炎)

咳がないのは気管支炎ではない

溶連菌は咽頭のみ、EBは全身感染症なので、肝炎を起こす

 

ペニシリン系抗菌剤

  • サワシリン
  • ビクシリン 吸収がよい70%
  • オーグメンチン(サワシリン250mg+クラブラン酸125mg(βラクタマーゼ阻害薬)=2:1)
  • オグサワ(オーグメンチン+サワシリン)500mg

耐性獲得している場合はオーグメンチン(サワシリン+クラブラン酸)

 

セフェム系

①世代:ケフレックス:95%吸収される 500mg 2g/日 UTI

⓶ケフラール:80%吸収される

③ セフゾン、メイアクト、フロモックス:15~20%しか吸収されない:処方する意味はないが、腸管には流れるので、耐性菌を作ることは考えられる。

UTIにはセ①世代を

肺炎の場合(肺炎球菌、インフルエンザ菌)にはセ⓶世代を、①世代は効果なし

 

クラビットの吸収率は100% 内服=div (胃のオペ後などは吸収落ちる)

 

市中肺炎

・声帯の上:溶連菌

・声帯の下:肺炎球菌、インフルエンザ菌

PEK ( プロテウス、Ecoli,クレブシエラ):1世代セフェムOK

胆嚢炎があればPEKを考えセファゾリン

UTIもあればPEKを考え、ケフレックスをまず使う。

 

第2世代は肺炎に使う。

基礎疾患のない気道感染症にはクラリス、ジスロマックは効果あり

 

ダラシンはPEK(肺炎球菌、大腸菌、クレブシエラ)には効かない

 

咽頭炎が主訴のときには

急性HIV感染症を忘れない。

HIV感染2.3週ででる全身のウイルス感染症

HIVは日和見感染症ではない。1か月で治り、5~10年でAIDS

急性HIV感染で見つければ1T内服で天寿まっとうする疾患

感染者の8割が急性HIV感染症状を呈する。

 

咽頭痛で後方病院へ送るポイント

開口障害(深部への炎症波及)、口蓋垂偏移のある咽頭炎

 

肺炎で痰がでるの膿のドレナージ効果、痰はばい菌を外に出すために必要(WBC)

DMでは痰が作れない。好中球の働きがないので、痰が作れず、局所に閉じ込めるようになり、フィブリンが来て膿瘍を作りやすい。そこに嫌気性菌が関与する。

嫌気性菌ではβラクタマーゼを出しているのがほとんどなので、βラクタマーゼ阻害剤含有抗菌剤がよい。

噛みきず

サワシリンよりオーグメンチン

猫、犬はβラクタマーゼはあまり出さない

猫は牙が鋭くて深い、牙の連鎖球菌、嫌気性菌は手根骨の深くまで感染

犬はあまり深くない

抗菌剤5日は必要(とくに猫)オーグメンチン

 

採血には必ず手袋をする

 

肺炎球菌、インフルザ菌、モラキセラ

 

市中肺炎、ユナシン(3g x2)、ロセフィン(1x) (ゾシン、メロペンは必要ないことが多い)

異型肺炎(肺以外に異常がある):マクロライド、ミノサイクリン

 

マイコプラズマ

 

60才以下、

全身感染症で、その一部として肺炎を呈する。時に咽頭痛が主訴のことあり

肺胸郭以外に異常があれば異型肺炎を考える。皮疹、肝機能異常、表在リンパ節蝕知

異型肺炎を考えればマクロライドを処方する。

画像では胸膜下は侵さない。気管支繊毛が好き:細気管支レベルを侵し、肺胞上皮細胞は侵さない

 

非定型肺炎の中に結核を入れておくこと

βラクタムが効かないとき、マクロライドにかえる場合は結核菌のチェックもする

 

非定型肺炎を疑う臨床像(マクロライドを使うべき肺炎)

・60歳未満

・基礎疾患がない

・頑固な咳嗽

・聴診所見が乏しい

・喀痰がない、

・WBC 10000未満

・肺胸郭外にも異常を認める

結核もこの範疇にはいることを忘れない。

 

尿路感染症

ケフレックス、培養を出すこと、バクタ(ST合剤)もよい

キノロン耐性大腸菌にはホスミシン、バクタ、ESBL(+)にはメロペン

 

市中肺炎と非定型肺炎の鑑別の重要性

非定型肺炎を疑う場合は結核も想起し、抗酸菌チェックもすること

咽頭炎の中に急性HIV感染が隠れている。

尿路感染症は大腸菌が多いが、キノロン耐性、ESBL産生菌がでている

必ず尿培養を出し、①世代セフェム(ケフレックス)、バクタ(ST合薬)がよい。

私自身の知識不足もあり、とりとめのないまとまりですが、勉強になりました。

とくに急性HIV感染のお話はインパクトがありました。また企画していただいた先生方に感謝です。

 

 

2018年03月30日
当院の仲間たち

2016/10/11に開業して、現在私と一緒に働いてくれている仲間たちです。おかげさまで良い人材が集まってくれています。

私も含めてみんなで『永続的に自己研鑽を積み、地域のニーズに答える』ことを胸に地域の皆様のお役に立てるように、踏ん張っていきます。

2018年03月09日
基幹病院との懇親会

佐賀市医師会と基幹病院との懇親会が2/16にありました。これは佐賀市医師会の開業医と佐賀市の基幹病院(佐賀大学附属病院、好生館、佐賀中部病院、国立病院機構佐賀病院)との懇親会で、顔の見える関係を作る目的で始まったそうで、私も参加するのは開業してからになります。今回は好生館病院の各科部長の先生方との会でした。私たちの役割は、目の前の患者さんをトリアージして基幹病院の専門外来に紹介すること、逆に基幹病院の役割は高度で専門的な医療を提供し診断、治療を行い、慢性疾患の方々は地域のかかりつけ医に託すことになるかと思います。

どちらが上とか下とかではなく、地域の患者さんの医療を支える上ではパートナーですし、よりよい関係を保つことが求められます。今回の会で、好生館の先生方のお話を聞いて思いましたことは、好生館でも医師不足が顕在化しているということ、しかしその中でも水準の高い医療を提供するために努力をされていることを感じました。

以前大学病院に勤めていた時に、診断困難な腹膜炎の患者さんが開業医の先生から紹介され、加療しました。その患者さんの検討会を、大学病院で行いました(紹介してくださった高齢の開業医の先生も参加されていました)。私は司会でもあり、高度な医療機器もお持ちでない開業医の先生が、所見が軽微であったのに、大学病院へ紹介するという判断に何故なったのかをお聞きしました。『この患者さんは、外来で診ており、この患者さんが痛がるのはただ事ではないと思いましたから…』とのコメントを聞き、個々の患者さんのパーソナリティを熟知して、患者さんの声に耳を傾け、適格に判断された開業医の先生にとても感動したのを覚えています。またその開業医の先生はこまめに大学病院の検討会にも参加されており、お互い見知った関係であったことも、患者さんを送ることに躊躇しなかったことの理由の一つに思います。私はまだまだ上述の開業医の先生のレベルではないですが、基幹病院の先生とよい人間関係をもつことは、大切な事だと実感しています。またこのような会を定期的に企画していただける佐賀市医師会の理事の方々に感謝です。

2018年02月19日
内視鏡学会セミナー

内視鏡学会セミナーに参加してきました。

18.1.21にJR博多シティアミュプラザで開催された内視鏡学会九州セミナーに参加してきました。朝9:00~16:10まで食道、胃、胆管、小腸、大腸の疾患について基礎的なことからトピックスまで幅広く網羅されたセミナーでした。消化器内視鏡医であれば是非知っておいて欲しいという会長及び演者の先生方の想いが伝わるようなセミナーで勉強になりました。とくに勉強になった点をいくつか記載します。

ヘリコバクターピロリ感染は一般の方々もよく知っている疾患で、当院でもよく抗体検査を行いますが、注意点について教えていただきました。

ヘリコバクターピロリ感染症

血清抗体価が陰性でも、値が高いものの中にはピロリの現感染、既感染が含まれる

・3~10U/mlでは22.6%の現感染、60.6%の既感染がみられたという報告がある。

・除菌による有意な胃がん抑制効果が確認されている。

・一方除菌後の胃癌は表面形態が判別し難くなることが多く、内視鏡観察には注意が必要。

次は下痢で大腸検査をすることは多いのですが、忘れてはいけない感染性腸炎のご講演があり、教科書的なことも含めて再度教えて頂きました。

感染性腸炎の内視鏡診断

・血性下痢、2週以上続く下痢、免疫不全や性行為感染症のハイリスク患者の下痢は感染性腸炎の鑑別が必要

カンピロバクター;回盲部から右側に炎症所見があることが多い。CTで腸管の漿膜まで炎症が波及することがあり、腹膜刺激症状あり、便スメアでらせん状のグラム陰性桿菌

 

サルモネラ、鶏卵、肉、ペット

カンピロに似て右側結腸に所見が多い。粘膜内の出血班。

UCとの鑑別が必要、サルモネラは直腸は侵されない。

白い健常粘膜の中に赤、経過は急性

UCは赤い粘膜の中に白い部分がある。経過は慢性

右側腸管壁の肥厚が特徴

 

エルシニア

クローンとの鑑別

縦走潰瘍は腸間膜付着測のクローンと一定性のないエルシニア

 

O-157

うろこような発赤、縦走潰瘍、腸管壁の肥厚、ときに重責を起こす

内視鏡で血便をみたら疑うべき

HUSをおこすので、病初期の短期間の抗生剤の投与が望まれるので、

早期にベロトキシン、O157の抗原キット 15分で判断できるので、有用

 

偽膜性腸炎CDI

ディフィシールは培養が難しい、酸素が嫌いな菌、酸素がすくない

R,Sに病変が多い。腸液でグラム陽性の桿菌がみられる。

CD toxin、 CD抗原チェックが簡単にできる

 

腸結核

輪状潰瘍、萎縮帯がある。新旧活動の病変が混在するのが特徴。少ない菌で腸管のリンパ組織の強い反応が起こる。

 

MAC腸炎

HIVなどの方に頑固な下痢、るい痩、があり、十二指腸下行脚がおかされる

 

クラミジア腸炎、直腸でいくら状の隆起、生検で確信が難しい。

組織をスライドでほぐして、産婦人科にあるクラミジア経管炎のキットを使うと陽性になる。クラミジア診断キットが有効

 

ウィップル(Whipple病)

HTLV1にでる

びまん性の白色柔毛が十二指腸に見られる。肥満細胞が充満している

 

アニサキス

SMT様に腫れる部位

 

アメーバ性大腸炎

介在粘膜は正常、たこいぼびらんから汚い白苔がでる。生検ではこの白苔部分も必要

 

糞線虫症(沖縄などに保虫者が多い)

高齢者がステロイド加療、手術後、原因不明のグラム陰性の菌血症、麻痺性イレウスをおこすことがあり。

12指腸の下降脚に白色絨毛→好酸球を伴う虫がある

大腸でも生検ででる。

 

クリプトスポリジウム症

若い人が下痢でどんどんやせる。HIVに見られる。

なにもひっかからない。培養も陰性、腸粘膜にも異常なしの場合に疑う

終末回腸:クリプトスポリジウム、便培養(ショトウこうばい遠心法)

 

サイトメガロウイルス(CMV)腸炎

血管内皮細胞が好きなんで、血管が支配している領域がズボットおちる

深掘れ潰瘍。組織では巨細胞封入体

 

ヘルペス食道炎

浅い潰瘍、小さな水泡→大きくなって破れて浅い潰瘍を形成する。

 

セミナーの準備をしていただきました関係各位の方々にお礼を申し上げます。勉強になりました。中島 裕

 

 

2018年02月02日