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鶴田修教授ご講演

大変お世話になった久留米大学の鶴田修教授のご講演がありましたので拝聴してきました。鶴田先生は3月に久留米大学を退官されます。3月末の退官記念式典にはもちろん参加予定ですが、昨今のコロナ関連でさまざまな集会が中止になっておりますので、記念式典がどうなるかわかりません。そこで鶴田先生の講演を聞くために今回の医師会主催の講演会に参加して来ました。この会も中止になるかと思いましたが、講演会の後の懇親会は中止で、講演のみあるとの由。仕事を早々に切り上げて鳥栖の講演会場まで雨の中を向かいました。私が2内科から1病理に出向し研究をしていたころ、鶴田先生は当時大腸で高名だった光島 徹先生のおられた亀田総合病院へ国内留学された後、久留米大学2内科へもどられていました。同時に2病理にも席をおいて、精力的に大腸がんの研究をされていました。おおむね25年以上前の話になります。そのころは消化器内科である2内科でも大腸内視鏡検査を上手にできる先生は少なく、患者さんと直接関わる臨床医の顔と、切除標本を顕微鏡で観察する病理医の2つの顔をもち、とてもあこがれたことを思い出します。私は大学での初期研修が終わり、外の病院で臨床医として働いていたときに、なかなか大腸内視鏡検査ができず、患者さんに痛い思いをさせてばかりいたのでよけい、大腸検査が上手な鶴田先生にあこがれました。講演は早期大腸がんの診断という、鶴田先生が長年取り組まれていたことについてのご講演でした。内視鏡検査機器のお話からはじまり、最近のAI診断まで多岐にわたるお話でした。Aiに関しては大腸内視鏡検査についてはそうそうに保険診療にはいってくるということ、現時点での大腸内視鏡検査でのAiはポリープを見つけると、『95%の確率で腺腫』というように、非腫瘍、腺腫、癌の鑑別が%表示できるようになっているが、今後深達度まで判断できるものができてきているとの由でした。すごいことだと思います。しかしこの基礎となるデータは鶴田先生達をはじめとする、たくさんの内視鏡医達が長年かけて蓄積したものです。Aiの話がでますといつも思いますが、Aiをどのように活用するか、そしてAiに取って代わられない自分にしかできない何かを持つ必要性を感じます。

 

2020年02月29日