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矢野博久教授医学部長就任お祝い

6/14に福岡で久留米大学病理学の矢野博久教授の医学部長就任のお祝いをいたしました。20年ほど前に一緒に机を並べて肝臓がんの研究を行った同期や後輩の先生達と楽しく過ごしました。みんないい歳になりますが、昔話に花が咲くとその時代に戻ってしまうから不思議です。私の初めての学会発表で聴衆が3人しかいなかったこと(うち2人は身内)や、飲み会での失敗談などを話をしていたら、あっという間に時間はすぎてしまいました。医学部長という要職は多くの医学部の他の教授の方々の後押しがないとなれないポジションですし、厳しい大学運営の中で中心となっていくということだと思います。責任が大きい為か、矢野先生の表情には喜色はなく、重い仕事を受けざるを得なかったという緊張感が伺われました。矢野先生どうぞ無理をなさらぬようにお願いいたします。

2019年06月24日
羽田空港で本を買いました。

羽田空港での待ち時間があり、本を買いました。今年の本屋大賞になった瀬尾まいこさんの『そしてバトンは渡された』、昨日テレビに出ていて興味を持った原田マハさんの『奇跡の人』です。『そしてバトンは渡された』は血の繋がらない親の間をリレーされ4回も苗字が変わった17歳の女の子の話でした。ありがちなつらい話ではなく、それぞれの親に愛されている話で、なんとなくホンワカした感じになる本でした。ただシチュエーションがなかなか私にはイメージできず、また少し表面的な感じがしました。速読なので、良く読み込めていないということもあります。過去の受賞作(鹿の王、蜜蜂と遠雷等)がとても良かったのでハードルを高く上げ過ぎていたのかもしれません。もう一冊の奇跡の人は日本版ヘレンケラーとサリバン先生のお話です。舞台は津軽で1歳の時の病気が原因で盲聾唖の6歳の介良れん、れんの先生となる米国で最高の教育をうけてきたが弱視というハンデをもっていた去場 安の2人が中心ですが、後に津軽三味線の名手となるキワが絡んできます。ヘレンケラーのお話はよく知られていますが、それをここまで読み応えのあるお話にしている作者の実力に舌をまきました。また全編を通して子供を思いやる親の思いを感じます。とても有名な作家と思いますが、全然知りませんでした。原田マハさんの本をいくつか読みたくなりました。

2019年06月02日
消化器内視鏡学会

ご迷惑をおかけしましたが、6/1()に東京の新高輪プリンスホテルで開催されている内視鏡学会に参加してきました。

早期胃がんに関するシンポジウムを見てきました。拡大内視鏡による胃がんの早期診断に関するシンポジウムに参加しました。現在胃がんの原因としてピロリ菌は周知され(検診でピロリ検査が含まれていることもあります)、ピロリ胃炎の治療としての除菌療法の普及に伴い、胃がんの発生頻度が下がっています。一方で除菌後に発見される胃がんは従来に比べて内視鏡検査での拾い上げが困難なことが知られています。その拾い上げに今までと比較して100倍程度のズームがきく拡大内視鏡によるNBI画像の有用性の報告がいくつか見られました。当院では苦しくない内視鏡検査を提供し、定期的に検査を受けていただくことで早期の消化器癌を見つけたいという目標があります。拡大内視鏡は口径が通常の内視鏡より大きいので、患者さんの苦痛度が増す可能性がありますが、それを抑える工夫をして、拡大内視鏡の当院での導入の検討を行いたいと思います。

医学は日進月歩であり、最近の知見に対する勉強を続ける必要性をとくに感じました。

しかし医療機器が進んでもなかなかわからないことがあります。内視鏡検査ではとくに所見がなくても、患者さんの中には胃もたれや、胸やけ、腹満感などの訴えが続く方がおられます。いわゆる機能性消化管障害という範疇になります。消化器内視鏡学会ですから、消化器内科の医師の集まりですが、やはりみんな興味があるのでしょう、困った上腹部症状への対応と題されたセミナーへ多数の参加がありました。今回のお話はどちらかというと逆流性食道炎関連に関するお話が主で、次の一手として、アコファイドや漢方(六君子湯、半夏瀉心湯)というお薬の話で勉強になりました。帰りは小ぶりの飛行機で佐賀へ。

2019年06月01日