肝疾患研修会

肝疾患研修会

1/25に開催されました肝疾患研修会に参加してきました。長年大垣市民病院で肝疾患の加療にあたってこられた熊田卓先生のご講演でした。私なりに印象にのこったものを記します。

 

C型肝炎に関しては飲み薬の8週から12週の内服でほぼ治る時代になった。

副作用は皮膚の掻痒感程度でめぼしいのはほとんとない。

・肝細胞癌を発見される肝臓は以前から比べると肝硬変から慢性肝炎の状態での発見数が増えてきた。肝機能も良好なものが多い(Child Pugh 分類 A)

各都道府県別の肝がんの死亡率として男性 佐賀県2位、女性 佐賀県1位だが全国的に着実に死亡率は減っている。日本の中では佐賀、福岡、広島、大阪が死亡率が高い。

大垣市民病院で2990例の肝がんの自験例を解析している。6700例のC型肝炎を経験し、経口抗ウイルス剤で加療した症例のうち、98.5%にウイルス除去ができている。

・肝がんの成因はC型肝炎がどんどん減っており、2015-2018は半分がウイルスに関係しない(以前は9割がウイルス関連(HBV. HCV)だった)

・80歳以上の肝がん患者においては繊維化が強い症例は肝がん由来の死亡が多い。

イギリスでは保険制度の関係で経口内服の加療では非代償性肝硬変のデータ多く、肝機能の改善傾向はみられており、今後本邦でも非代償性肝硬変への内服投与が保険可能となってくるので、期待できる。

 

日本の肝がん治療と諸外国との比較

・欧州、米国、他のアジア諸国と比較しても日本の肝がん患者の予後は格段に長い。

・その原因の多くは早期発見(early stageが5割)による。その理由としてはガイドラインが国によって異なることがあげられる。

日本は定期的な超音波検査(3~4か月)、腫瘍マーカー測定が行われるが、英国では医療費は無料だが、かかりつけ医からの紹介からでないと総合病院にかかることができない。治療が1年先になることもあり、超音波検査のインターバルも長いし、腫瘍マーカーの測定もされていない。米国ではさらに悪く、入っている保険により受けられるサービスが異なる。

 

 とくに最後の肝がん治療は断トツで日本が良いというデータはとても誇らしいものでした。しかしこれは現場の医療者サイドの努力もあると思いますが、なにより日本の国民皆保険制度によるところが大きいと思います。

やはり日本の国民皆保険制度の維持は必要だし、それがどんなに素晴らしいことかを、国民への啓もうが必要だと改めて思いました。

 

 

2019年01月27日