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かかりつけ医研修会

本日10:00~17:30まで昼食時の50分間以外は5分間の休憩1回のみのびっしりつまった研修会でした。内容としてはかかりつ医として知っておくべき9項目の事項について講演がありました。具体的には脂質異常症、糖尿病、高血圧症、認知症、禁煙指導、健康相談、在宅医療、介護保険、服薬管理です。開院して10ヶ月になりますが、かかりつけ医として生活習慣病の勉強をしているところでしたので、とてもタイムリーな講演でした。超高齢化社会である日本で、国が推し進めている地域包括ケアシステムの構築には、かかりつけ医の役割が重要です。むろんいろんな職種の方々との連携も重要ですが…。自分でできることは、自分の専門分野以外の疾患の知識を深めることだと思います。その意味で本日の研修会は、勉強になりました。企画、準備、講演していただきました医師会の先生方に感謝です。自分なりに良く咀嚼して(最近の知見など、膨大な量の情報でしたので)、患者さんへの生活指導に生かせればと思います。『やっぱりメタボはいけない』と自分のおなかを見て思います。

2017年07月30日
肝臓を知り肝がんを診る

本日は肝がん講習会で久留米大学消化器内科の古賀浩徳教授の講演を聞いてきました。タイトルが『肝臓を知り肝がんを診る』というものです。17年連続で肝がん死亡の10万人比ではワースト1位の佐賀県です。佐賀県肝がん対策医会の先生たちが、医療従事者対象に著名な先生を読んで、このような会を開いて頂けるのはとても有難いことだと思います。慢性C型肝炎は内服薬で完治できるようになってきていますが、まだまだ肝がんで多くの方々が亡くなっている現実があります。昨日のお話で私自身の頭に残ったことです。

・肝臓の特殊な解剖学的構造

・肝がんの加療の上では慢性肝炎、肝硬変という背景因子の評価が重要

・2015年をピークに九州の肝がんは減っている。以前に比較してHCV由来の肝がんは50%を切っており、NBNCの肝がんが増えてきている。その主体は非アルコール性の脂肪性肝炎(NASH)である。肥満、糖尿病がそれに関与している。単純性脂肪肝(NAFLD)は1500~2000万人、肝臓に炎症、繊維化がみられるNASHが300万~400万人いるといわれている。これら疾患ではPNPLA3という遺伝子異常が見られることが注目されている。

・BMI>35では肝がんリスクは4.5倍になる。

・肝がんの治療として以前からあるラジオ波、腫瘍塞栓療法、抗がん剤の動注療法、手術、以外に分子標的治療、免疫チェックポイント阻害剤などが検討中であるが、まだ満足いくようなものではない。とてもわかりやすい講演でした。ちなみに、さすが古賀先生、タイトルがかっこいいです。今後も久留米大学の看板教授として頑張ってください。

2017年07月29日
学術講演会(認知症患者の不眠の特徴)

本日興味がありましたので、認知症患者さんの不眠症の特徴という講演を聞いてきました。演者は長崎の道ノ尾病院の芹田巧先生でした。

不眠について基本的なことから説明していただいて、頭の中が整理されたように思います。

・睡眠は体内時計、恒常性維持機構、覚醒刺激の3つの機構で成り立っていること。

・現在それぞれの機構に働くお薬があり、薬理効果およびその副作用を意識して患者さんに処方すること。

・高齢者の不眠率は3割にもなるが認知症では6割前後の患者さんにみられること(本人が不眠を訴えることは少ないが)。

・睡眠導入剤の種類によっては認知機能の低下のリスクを上げることがあること。

・適切な不眠治療によって認知症の患者さんの夜間の介護負担を下げることになること。

などが頭に残りました。勉強になりました。

2017年07月27日
熱中症

さていよいよ暑い季節になりました。熱中症で救急搬送される人が多くなる時期です。とくにご高齢の方々は、年齢とともに喉の渇きを感じて水分を補給するのではなく、こまめな飲水を心がけてください。ただし心臓、腎臓に持病のある方は、主治医によく熱中症対策を聞いてください。

暑さ指数(WBGT)をご存知ですか熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標で①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php

佐賀市では7/18.7/19の午後はともにこの暑さ指数が危険域の31℃になります。『外にでないから安心』ではありません。ご高齢の方の熱中症の半数は在宅で起こっています。十分気をつけてください。

2017年07月17日
同窓会

7/16は高校の同窓会で、久しぶりに懐かしい同級生と会い、話が弾みました。卒後30年以上たちますと風貌もおじさんになり、体型もまるっこくなっていますが、話始めると体育祭での騎馬戦の話が出たり、高校生のころに戻って楽しいひと時でした。お互いに近況報告をして、頑張っている同級生達に活力をもらいました。

 

 

 

 

 

2017年07月17日
佐賀県臨床外科医会講演会

興味がある講演でしたので7月8日にニューオータニ佐賀で開催された佐賀県臨床外科医会講演会に参加して講演を聞いてきました。

講演1:好生館病院消化器内科緒方伸一先生によるピロリ菌による胃炎分類のお話

胃炎の京都分類についてのお話で、胃炎を原因によって分類し、胃がんリスクを評価するというお話です。現在胃がんは年間5万人弱の方々の死因となっており、高リスクの方々をピックアップするという考え方は大事です。無症状もしくは軽度の自覚症状の方々をスクリーニングで上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)をすることの多い当クリニックでもきもに命じる必要があります。ピロリ菌と胃がんの関わりには既視感がありました。25年前に非A非B型肝炎の主たる原因の多くがC型肝炎ということがわかり、C型肝炎ウイルスをお持ちの方々を3~4か月毎にエコーでフォローすることにより多数の肝がんの拾い上げがなされていったことが思い出されます。難治性だった慢性C型肝炎も今は内服薬でほとんどの方々が治癒できる時代になりました。ピロリ菌はC型肝炎ウイルスに比べればはるかに容易に、低コストで治癒します。ただピロリ菌を除菌した後の胃がんリスクは減りますが、除菌後にできる胃がんを内視鏡検査で発見することが困難な患者さんが多いことが次の問題です。エコーで必死に小さな肝がんを見つけようとしていた、先輩の姿を思い浮かべました。

講演2:長崎大学移植外科の江口晋教授による肝移植のお話でした。肝がんや肝硬変の末期の方々を対象に施行される肝臓移植ですが、5生が60%を越えていることには驚きです。また講演の後半では江口教授が冷や汗をかいた症例の提示がありました。症例の画像を見ているこちらも冷や汗がでるような症例でした。内科医でオペ室に入った経験は少ないですが、オペ室での執刀医のストレスは過酷なことが推察されました。

2017年07月10日